忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6



発行年月:2025年6月


★第33回日本児童文芸家協会賞 受賞作品
★第23回赤い鳥さし絵賞 受賞作品
 
「こんど、また遊んでね」
「こんども、こんども、また、こんどもね」
也子が出会った、ふわふわのしっぽの小さなきつね。
あしたも、きっときつねを探しに行こう。
そう思っていたのに――。
戦時下の広島でくらす、小学4年生の也子。
子ぎつねと次第に仲よくなっていく
つつましくも穏やかな日々が、
一発の爆弾によって、突然奪われます。
あたりまえの暮らしが奪われることこそが、非戦闘員までも巻きこむ戦争の恐ろしさであり、悲しみなのです。~あとがきより~
教科書に採用された『たずねびと』の著者による、新しい戦争児童文学の原点。
日本児童文芸家協会賞、赤い鳥さし絵賞受賞作品。
※本書は2008年に発行された『彼岸花はきつねのかんざし』(Gakken)の新版です。新版の刊行にあたり、全編を通して表記を改め、表現の一部を加筆修正しました。


                    (佼成出版社HPより)





B29が飛んでいくのがみえる。
戦時下の広島の田舎で暮らす小学4年生の也子(かのこ)が主人公。
ある日、竹藪で友達とかくれんぼをしていて、気づいたら皆、居なくなり・・・
子ぎつねにあう。
子ぎつねが「わたしにばかされたい?」と聞くので「ぜんぜん」と答える。
その後、暫く会えず、また会いたいなぁ~と思っていると、再び会えて
一緒に追いかけっこ。

子ぎつねとの会話のなかで、かのこが「白い彼岸花がいいな」と話すと
「町のほうにはある」と。

そして再び会えない日が続き・・・・


8月6日、ぴかどんが空から降って・・・・



最初は、ファンタジーだけど、戦争の怖さや虚しさを感じる物語。

絵もかわいい。


こういう話は、辛いけれどずっと誰かが書いてくれないといけないな。




                    ★★★★★
PR



発行年月:2016年4月  (単行本は2010年10月刊行)


私は“幸せ”ですか?
人間の“業”とは、そして幸福とは。
乱歩賞作家が問いかける、予測不能の人間ミステリー!!
母に捨てられ、父を殺された有子。
犯人の自殺、消えた青年、母との再会。
鎖のように繋がる怒りと悲しみ。
そして叶わぬ恋――。
人間が持つ“業”に翻弄されながら、
一人の女子短大生は自分の道を歩き始めた――。


                   (潮文庫HPより)




何とも理不尽な・・・


実直な父が何者かに刺殺される生田有子(19歳)。
幼い頃に母は男性と失踪し、その後は父親と二人暮らし。

父親は警備会社で働き、ある日、工事現場に侵入してきた女性・及川明菜が
建物から転落し、今は病院で寝たきり状態。
その時、女性は従業員の男の名前を呼び、その男も一緒に転落したが
搬送された病院から姿を消したまま。

不可解なことだらけで、父親がなぜ、刺殺されなければならなかったのか?
真相を知りたい有子は、警備会社の職員で元刑事の中原とともに
真相究明をしていく。


父親を刺したのは、及川明。
転落事故で寝たきりになっている明菜の父親。
けれど、及川明は「たいへんな過ちを犯してしまった」とのことばを遺書に遺し
自死。


真相が段々、わかると怒りが沸いてきた。

明菜と一緒に転落した男もしょうもない男だけど、その父親もまた酷い男。
そんな親子のせいで有子の父親と及川明は命を落とすことになったのか?


寝たきり状態の明菜に会う有子。
その事実を知って、彼女のために自分が何か出来ないかと行動するのは
凄いことだと感心したけど、なかなかこういう気持ちになることは
難しいだろうな。


最後の解説を書かれた医学博士で栄養士の言葉を読むと、なるほどねと
思うところはあったけれど・・・・

でも、物語としては、まあまあ楽しめた。




                      ★★★



発行年月:2024年11月


六十代の主婦・雅美は、大谷選手の書いたマンダラチャートを真似て、マス目を埋めてみる。もし、人生をやりなおせるならば、「女性が胸を張って生きられる世の中にしたい」。そう記した途端、雅美はマンダラチャートに飲み込まれ、中学生に戻ってしまう......。同じくタイムスリップした、かつての憧れの人・天ヶ瀬とともに昭和の古くさい価値観を変えようと、奮闘する雅美だが......。


                   (中央公論新社HPより)


正にドンピシャ!
主人公とほぼ同年なので、雅美の思うことに激しく同意!

63歳の雅美が急に中学2年生の教室にタイムスリップというのも面白い。
自分なら大パニックに陥るところだけれど、雅美は結構、冷静だったな。
瞬時に状況を判断して行動していた・・・賢い人なんだと思った。


同じような状況でタイムスリップしてきたのは、当時の初恋の天ヶ瀬良一。
顔よし、スタイルよし、頭脳よしの言うことなしで、女子の憧れの的。
そんな天ヶ瀬が雅美をみて同じ状況なんじゃないかと接近。


彼らが凄いのは、そこから、未来に向かって前の生活よりいい状況になれるように
目標を持って努力していくこと。


でも昭和は男女の格差が今では信じられないほど大きく、雅美は苦労する。
就職のときの様子は、腹が立ってきた。
それでも、なんとか、求められる場所に就職して、さてこれからどうなる?
と思ったら・・・・再び現代へ・・・・。


その辺も面白かった。
この先の雅美と天ヶ瀬のことも気になるけれど、いいラストだった。




                     ★★★★



発行年月:2023年11月


中小企業診断士・北川が悩める経営者を導く! ”会社の終活”エンタメ小説
自分が引退しても、我が子のように大切な会社には末永く続いてほしい――経営者の願いも虚しく、中小企業の後継者不足が問題となって久しい。
二人の息子のどちらかに会社を継がせたい、洋菓子店の二代目社長。
社内に目ぼしい人材がいないとボヤく、ワンマンバッグメーカー社長。
社長の急な逝去により外国人オーナーのもとで働くこととなった、刃物メーカー社員。
会社の行く末に三者三様の悩みを抱える人々に、型破りな中小企業診断士・北川は、前代未聞の経営改革案を提示する。
『県庁の星』著者がおくる、痛快お仕事エンタテインメント!


                  (角川書店HPより)


面白かった。
後継者を誰にしよう?誰になる?という問題に直面した3つの会社のお話で
それらに関わるのが中小企業診断士の北川徹(56歳)。


第一章はケーキの製造と販売を行っている会社「ルージュ」。
65歳の現社長が次は2人の息子のどちらに経営を任せるかを悩んでいた。

長男は真面目だけど、商売センスに欠ける
次男はサーフィン好きで社交的だけど、店のことにそれほど興味が
あるとは思えない

北川は開店準備金を渡して期限をつけて二人に別々の店舗で商売を
させてみたらどうか?と提案。


第二は女性向けのブランドバッグを販売している会社「アスリ」の62歳の
女性社長。夫は他界していて子どもはいない。
会社の経営を助けてくれている部下の誰かから後継者を選ぶべき?と悩む
そのうちコロナ禍で店は休業せざるを得なくなる。
このままでは店そのものの存続が・・・・。

北川は、コロナ禍だからこそのものをつくるのは?
ほかにもいろいろ、アイデアを出してくれる


第三章は包丁を製造している「斉藤工業」。
社長が急に亡くなり、社員は動揺。
取締役の社長の妻・朝子は、元看護士で経営には全く関わってこなかった。

英語ができるからと中途採用され輸出業務を担当していた伊藤浩紀(45歳)は
知り合いで定期的な飲み友達でもある北川に、愚痴をいう。
北川は「伊藤くんなら大丈夫だよ」というが・・・
家庭内でも問題が起きる。妻が仮想通貨取引で失敗し、二人の貯金をゼロに
してしまったという。
謝って、離婚はしたくないと言うが・・・・



北川のアドバイスは適格で、それぞれの会社が良い方向にむかい
読んでいて楽しかった。
第三章の伊藤も、大きな決断をしたけれど、それで正解!と思った。



知らなかったけれど中小企業診断士って、凄いな。



                       ★★★★





発行年月:2023年8月


2023年、必読の家族小説
「家族に挫折したら、どうすればいいんですか?」
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部のエース神代清一と結婚するつもりでいたが、恋に破れ、下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。やがて、女性の生き方もままならない戦後の混乱と高度成長期の中、よんどころない事情で家族を持った悌子の行く末は……。
新聞連載時から大反響! 感動という言葉では足りない、2023年を代表する傑作の誕生


                    (KADOKAWA HPより)




550頁越えの長編でしたが、頁を捲る手が止まらない。

家事とか、やらなくていいなら、ずっと読んでいられる(笑)


主人公の悌子がすごくいい。
人として、素晴らしい!尊敬する。

教師としても母親としても最高。

結婚したときは、流れでなんとなくという感じだったけれど、夫になった権蔵も
素敵な人だった!
悌子と二人が揃ったら怖い物なしのかんじで色んなことを乗り越えていく姿は
清々しい。


戦争前~戦後の時代の話なので、辛いことも多いんだけど、そのあとに
必ず希望があって救われる。

悌子の幼馴染・神代清一とは、戦争で二度と会えなくなったけれど
その息子・清太との関係は素敵。
血の繋がりがなくても、こんな風に家族になれるんだな~。

運動が苦手の権蔵が清太とキャッチボールをするラストは泣ける(/_;)

本当に素敵な物語だった!!




                        ★★★★★
カレンダー
08 2025/09 10
S M T W T F S
2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]