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読んだ本の感想あれこれ。
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a92187dd.jpeg 発行年月:2012年8月


離婚を望む一人の女性の移りゆく心の軌跡
人はなぜ同じではいられないのか。幸福な結婚生活を送る森子。だのに別れを決心した。理由は夫として好きじゃなくなっただけ。そんな理由に納得がいかない夫と森子の平行線の日々は続き……。


                  (集英社HPより)




結婚して10年の夫婦。
夫は、大学の教育学部教授。
それでも森子は、夫と別れたいと家を出る。
夫は、離婚することには反対で、月に一度の話し合いを条件に別居すりことを許した。

メ-ルだったり電話だったり、二人の話し合いは続くが意見は平行線のまま。

物語は、結婚した当初の10年前の出来事と現在を交互に語りながら進む。
一人暮らしした森子は、空港の掃除スタッフとして働き、同じアパ-トの隣室の大村さん(こちらも一人暮らし?60歳目前の女性)とは部屋を行き来する仲になる。



森子と夫の10年前から別れる前の暮らしは、穏やかで微笑ましい。
読んでいるだけなら何も不愉快さを感じない。
森子自身も決して嫌いにはなっていないと言う。

う~ん。
こういう感情は男性には、全く理解不能だろうなぁ~。
森子の我侭としか思えないでしょう。

でもなんとなく森子の気持ちが分かってしまう、わたし・・・(^^ゞ


表題が過去形の「・・・ありました」でなくて「・・・・あります」というのは
まだ完全に離婚した状況ではないからかな?

ちょっと夫が気の毒ではあるけれど・・・たぶん森子は戻らないだろうな~。


                                        ★★★★



 
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51xFr1kOSVL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年10月

ご近所さん、同級生、同僚-----。
物心ついたころから、「おともだち」はむずかしい。
ほんとうに仲良し? 
女性たちの微妙な距離感を描いた8つの物語

                        (筑間書房HPより)




女同士の微妙な人間関係を描いた物語が8つ。

最初の「たからばこ」は、幼稚園の女の子が主人公だけど、大人っぽい口調で淡々と語られる
おともだちのこと。
最後は、ひぇ~~っと心の中で叫んでゾッとした!
最初がこれだから、次の話はどんなだろ?とちょっと怖くなったけど・・・
後は、まあ普通に楽しめた。

学生時代の友達との現在に至るまでの話を書いた次の話<グリ-ティングカ-ド>は、自分にもそんな女友達(?)居るなぁ~なんて思ったりして・・・・・。
誰でもこういう付き合いをしている女友達っているんじゃないかな?


どの話にも女性ならではの心理描写がよく表れていて、共感したり苦笑したりしながら
楽しんで読みました。

しかし、やっぱり最初の話が一番、インパクトあったな・・・・・。


表題と表紙の黒っぽい絵が凄くいい!

挿画・装画は、なかむら葉子さん・・・覚えておこう。



                                           ★★★★


51AiY5BMjZL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年5月


札幌育ち、見てくれ良好、二十三歳、生娘の、吉田が恋に落ちた模様です。

吉田は独身の冴えない四十男に、ひとめぼれしました。待ち伏せ、尾行で情報収集後、男を追いかけ上京します。ストーカー? いえ、違います。「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」で胸がいっぱい、ただ「好き」なだけなのです。問題は、男が吉田を知らない、ということ----。愛嬌と軽やかさに満ちた、著者一年半ぶりの新作。

                                           (新潮社HPより)


なんか、笑える物語。
朝倉さんらしい可笑しい恋愛小説。

23歳の吉田苑美が、そもそもなぜ、榎又辰彦に惹かれたのか??
最後まで謎だったなぁ~。

エノマタと従兄弟のみっちゃんは同い年の42歳。
みっちゃんは良い大学を出て、大手鉄鋼勤務。見た目はあまりよくないみたいだけれど・・・^^;
二人は同じマンションの隣同士。
仲は良さそうで、二人の会話する様子は、まったり。

物語は、エノマタが語ったり、吉田が語ったりしながら進む。



吉田がエノマタが好きでスト-カ-まがいの行為までして付き合ったのに、段々とエノマタのトウヘンボクさに嫌気がさしてきて別れる。
早く気づけよ!と思ったけれど・・・・・
意外とこれくらいのトウケンボク男って多いかも?
気が利き過ぎるのもイヤだけどね~。

吉田の友達、理絵子や前田のキャラも愉快だった。


                                         ★★★


8effb621.jpg   発行年月:2010年10月


   夏目清茂74歳、本日脳梗塞により昇天いたしました

   74歳のある日、脳梗塞で亡くなったブリキ職人の夏目清茂。
   葬儀に集う人々のさまざまな人生が、清茂の死を中心にして交錯する

                            (文藝春秋HPより)



74歳の清重の若い頃から亡くなるまでの人生を描く物語かと最初は、思いましたが、もっと沢山の人の人生が交錯しながら描かれていました。
清茂を中心にした家族の歴史のようなお話。

最初に清重の両親のこと。
清茂の父親は、再婚し、その再婚相手には、息子が二人。
連れ子の次男の政夫は、清茂と同年だった。
政夫の方が勉強もよく出来たので、跡取りは政夫という自然の流れに異存なく家を出て金物屋で働きやがて独立し「夏目ブリキ店」を営む。

その後、結婚し、娘・素子と息子・直が生まれる。

若い頃の清茂は、近所の学校に行きたがらない子ども達の面倒を見たり、その子達がやりたがった野球のチ-ムも作り、非常に面倒見が良い。
子どもたちにも慕われていた。

けれど・・・・妻との関係は、その後ギクシャクした様子で、別れる。

物語は、清茂が亡くなり、葬儀の支度をするあたりから、いろいろな人が登場してくる。
74歳で亡くなった清茂の息子・直も45歳。
喪主になり始めてづくしの葬儀にあたふたしながらも、父親の昔を思い出しながら物語が進む。

清茂の娘・素子は父親が亡くなったことを直からのメ-ルで不倫相手と夜を明かしたホテルで知る。
かつて父のほかに愛した男が出来た母親を嫌悪した自分だが、自分もまた同じ状況にいる。

葬儀の当日、清茂に関わりのあった人々いろいろな想いを持ちながら集う。

子ども、孫、故人に生前、世話になった者。
そして、別れた妻。

バラバラに暮らしていた人たちを集まらせるのは、故人の力でしょう。

夏目家の人たちが、この集まりを機会に、また違う繋がりでこの後も絡みあっていくのかな?

葬儀の段取りについても結構、勉強になりました。


★★★
9387e8a8.jpg   発行年月:2010年8月

通り魔事件発生! 犯人、捕まらず! 

非常事態なのに、
ここの住民たちがひねもす考えていることといったら……。

未解決事件があった街の人々の「つぶやき」がすれ違ったとき、
心のドラマが走り出す。


茂森正則(13)
冷静沈着キャラを通すためアイスのふたの裏を舐めないようにしている男子中学生。

辻村有紀子(17) 
憧れの作家が近所に住んでいるのを知り、会いに行く決意をする女子高生。

最上幹基(20) 
将来、弁護士になりたいが勉強する気ゼロの家業手伝い兼自宅浪人。自称モテ男。

安西奈緒美(30) 
同居の「カワイイ」義母と釣り合わせるため「さばさば」した嫁を演ずる女子事務員。

工藤泰介(46) 
四歳で世界中の国旗と国名と首都を言えたことが心のよりどころの喫茶店マスター。独身。

倉持のぶ子(50) 
「ドラッグストアでどうかと思うくらいまじめに働いています」(本人の弁)。バツイチ。

                                        (光文社HPより)


第1章から第6章まで、↑の人たちが順番で主人公になります。
最近、起きた地下鉄の駅コンコ-スをサバイバルナイフを振り回して駆け抜けた事件がそれぞれの話に共通に出てくる。
同じ地域の同じときを生きる主人公たち。

それぞれの日常は、大したものではなく・・・
話も特に面白くないのだけど、何故か可笑しい。
特に男性陣が・・・・・ちょっとキモチワルイです^^;
最初の正則は、まあ中学生だから・・・いいのですが。

第3章の最上幹基と第5章の工藤泰介は、イヤです!

通り魔事件の真相は、詳しく語られないけど、最後の方で犯人は捕まったらしいとわかり、もしかして・・・あの人?という予想は付きます。

最後まで読んで・・・「あれ?もしかして?」とまた最初に、戻って読んで「そうかな?」と思うくらいなので、あまり物語りそのものに関係ないのかもしれないけど・・・・。

でも、日常のほんとに何でもない事を描くのが巧い作家さんだなぁ~。

感動する話とか、印象に残る言葉とか特にないんだけど、結構、すき。

★★★
 
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