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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年3月


50年前の幼友達3人が同じ長屋で暮らすことに⁉
泣いて、笑って、喧嘩して……婆たち3人、人生ここからが本番!
直木賞作家が描く痛快時代小説!
あらすじ
名主の書役として暮らすお麓の閑居へ、能天気なお菅と、派手好きなお修が転がり込んできた。ふたりとも、いわば幼馴染である。お麓は歌を詠みながら安穏の余生を送ろうとしていたのだが――。ある日、お菅が空地で倒れた女と声が出せない少女を見つけてきた。厄介事である。お麓にとって悪夢のような日々が始まった。
3人揃えば、騒がしさも厄介も3倍。されど、喜びも感動も3倍⁉


                        (潮出版社HPより)




お麓、お菅、お修、三人それぞれ個性的でいい。

長屋でそれぞれ暮らすようになり食事をたびたび一緒にしている。

そんなところに訳ありの親子(貧しい身なり)の世話をすることになり・・・・

母親と思われた女性は、もともと、体が弱っていて、亡くなってしまうが
遺された女の子(8歳くらい?)は、口がきけない。
名前がわからず、おはぎ長屋だからと、お萩と呼ぶことに。

お菅が家事を、お修が町案内、お麓が手習いをそれぞれ担当し、お萩の相手をする。
家事は全くやったことがない様子。
少し、着飾ると上品な姫さまのよう。
そして、手習いを受け負った、お麓だが、和歌に興味がある、お萩は元々
手習いを受けていた?


お萩は、もしかすると、いいところのお嬢様かもしれない。

そして、わかって来た真実は、なかなか重たい話だった。

長屋に途中から来た建具職人の糸吉は、若く目鼻立ちが整った男だが
その男を気にする様子の、お萩。


亡くなったお萩の母親と思われていた人は、糸吉の妹・お篠だった。
そして、お萩は瑠璃という名の姫でお篠は世話役としてそばにいたという。
水落忠晃という男の元へ嫁ぐことになっていたのだが、その男がとんでもない
悪人でそれに気づいた、お篠は自身が楯になり、瑠璃を守って折檻を受け続けて
いたのだという。



ああ、なんという!!
でも、最後はすっきり解決してよかった。

お篠には生きていて欲しかったけれど・・・・



三婆といっても60とちょっと。
今の60代とは雰囲気がだいぶ違うな・・・。

3人の話、また別で読みたいな。




                      ★★★★
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発行年月:2023年5月


時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる
大江戸謎解き物語。
万両店の廻船問屋の末弟、鷺之介は齢十一にして悩みが尽きない。
その元凶は、かしましい三人の姉。
姉さん、また事件ですか?!
とっとと嫁に行ってもらって、静かな余生を送りたいーーーー
万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は齢十一にして悩みが尽きない。
かしましい三人の姉ーお瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃
付き合わされるからだ。遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の近くに
いるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかその先々で
事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。
ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。
その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだったーーー。

                   (祥伝社HPより)




11歳の鷺之介が可愛らしい。

長兄の鵜之介を尊敬し、早く自分も兄と共に商いをしたいと思っている。
そのために、3人の姉には外に嫁にいってもらわなきゃと。


長女のお瀬己は、唯一嫁に行ったのに、出戻ってきた。
次女のお日和は、おっとりしていて、三女のお喜路はしっかり者だけど
理屈っぽい。

三人の姉の母親は、皆違う。
父親の鳶右衛門がよそに作った子達だが、母親のお七が育てた。
そのお七は病で鷺之助が6歳の時に亡くなっている。


3人の姉たちのかしましい様子も愉快で、それにやや困惑ぎみの鷺之介の様子が
なんとも愉快。

鷺之助が友達になった五百吉(いおきち)も逞しくて優しい子で、大人になっても
ずっといい関係が続くといいな~と思える。

小さな謎解きがあって、終盤は、鷺之助の出生の機密が明かされる。
自分は捨て子なの?と悲しむ鷺之助だったけれど、そうじゃなく
真相がわかったときは、よかったなぁ~とホッとした。

ほのぼのした江戸の家族の物語だった。



                       ★★★★



発行年月:2019年3月


情が絡むと、かくも人の世は面倒だ
『涅槃の雪』『まるまるの毬』『ごんたくれ』
時代小説の傑作を手掛けた著者が本領発揮!
人生の上がりだと思っていた隠居生活が、まさか「第二の双六」の始まりだったとは……
これぞ笑って胸に沁みる時代小説!
「いいなあこれ。私、すっかり気に入ってしまった。
(中略)この小説が素晴らしいのは、その理想の老後の風景の奥に、
いちばん大事なことを描いていることだ。」(「本の旅人」2019年4月号より)
                                    ――北上次郎氏
巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、三十三年の働きに終止符を打ち、還暦を機に隠居生活に入った。人生を双六にたとえれば、隠居は「上がり」のようなもの。だがそのはずが、孫の千代太が隠居家に訪れたことで、予想外に忙しい日々が始まった! 千代太が連れてくる数々の「厄介事」に、徳兵衛はてんてこまいの日々を送るが、思いのほか充実している自分を発見する……。果たして「第二の双六」の上がりとは?


                     (角川書店HPより)



隠居のために借りた家に孫の千代太(8歳)が連れて来たのは、身なりも汚い貧しい
勘七(9歳)と妹のなつ(5歳)。
千代太は友達だといい、祖父の徳兵衛は嫌々ながら、招き入れ食事を与える。

その後も色々な人が徳兵衛の元へ。

千代太の純粋なこころがいい。
困っているなら助けたいと思う心で相手に接する。
そんな気持ちが通じて、千代太の元へそして隠居の身である徳兵衛の元へ
人が集まる。


隠居生活に入っても、色々な悩み事が生じ、奔走する徳兵衛もまた
商売をしていたころの性格とは違ったものが出て来て
人としては魅力が増していっているのが読んでいて楽しかった。

人生2度目のすごろく、幸せなあがりでしたね・・・^m^


物語の最後は、徳兵衛が亡くなった後の話。
「え?これ続編でてるのに???」と思って先に読んだ家人に聞くと
また別の話として徳兵衛の隠居生活のことが語られるのだと。
なるほど・・・・。



                      ★★★★







発行年月:2021年4月


小さな幸せが暮らしの糧になる──当代一の売れっ子作家・曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路。横暴で理不尽な舅、病持ち、癇癪持ちの夫とそんな息子を溺愛する姑。日々の憤懣と心労が積もりに積もって家を飛び出たお路は、迎えに来た夫に「今後は文句があればはっきりと口にします。それでも良いというなら帰ります」と宣言するが……。修羅の家で、子どもを抱えながら懸命に見つけたお路の居場所とは? 直木賞作家の真骨頂、感動の傑作長編。

                      (角川春樹事務所HPより)




少し前に読んだ、朝井まかてさんの「秘密の花園」で、曲亭馬琴の長男の嫁として

馬琴のいる家に入った、路のことがとても印象に残ったので、こちらを読んだ。

いやはや・・・・凄い。
雇った女中もすぐに辞めてしまうような家に嫁として立派に立ち振る舞い
この家が成り立っていたのは、路さんのおかげじゃないか?と思うほど。


馬琴もその息子・宗伯も気に入らないことがあると癇癪を起こす。
一度は、宗伯に乱暴されお腹の子が流れてしまうという悲劇も。
普通ならそこで離縁となるのだけど、さすがにこの時は宗伯も謝り
馬琴も床に就いたお路の代わりに働く。
根は悪い人たちではないのだと思うけれど。。。。

馬琴の妻・百もいい加減な人で気分屋。

そして馬琴の目が片方、見えなくなり、幼いときより病弱の宗伯も度々、床に就き
百もまた年を取ったら体が弱り、それらの世話にも明け暮れる路。

夫の宗伯が39歳で亡くなり、百も亡くなったあとは、馬琴と子どもとの暮らし。
そして、馬琴のもう片方の視力も殆どなくなり、八犬伝を代わりに書いて欲しいと
頼まれ、何度も断るが結局、渋々、承知。
お願いしている立場なのに、相変わらずの上から目線で罵倒。
路もたまらず言い返し、口喧嘩。
それでも、気持ちを整え、再び代筆を続ける路・・・・・ああ泣ける(/_;)

馬琴ももう少し、ねぎらいの言葉をかけてあげるべきだったよなぁ~。

それでも、夫の宗伯も姑の百も馬琴も、最期のときには、路に感謝のことばを
かえていて、それだけはよかった。


しかし、本当に、路さん、すごい人だな。
偉人の陰には、こういう支える人が必ずいるものだな。



                     ★★★★



発行年月:2022年12月


武士から菓子職人に転身した変わり種の主、治兵衛。父を助ける出戻り娘、お永。看板娘の孫、お君。
親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗「南星屋」には、味と人情に惹かれやって来るお客が列をなす。
麹町を大火が襲った夜以来、姿を見せなくなった気のいい渡り中間を案ずる一家だったが、ある日、思わぬところから消息が届き……。
「誰だって、石の衣は着ているもんさ。中の黒い餡を、見せねえようにな」
ほろりとやさしく切ない甘みで包む親子の情、夫婦の機微、言うに言えない胸のうち。
諸国の銘菓と人のいとなみを味わう直木賞作家の大人気シリーズ、最新刊!
〈収録作〉
饅頭くらべ
母子草
肉桂餅
初恋饅頭
うさぎ玉ほろほろ
石衣
願い笹


                   (講談社HPより)


シリーズ三作目。
今回も新たな人物、鹿蔵が登場。
武家屋敷の中間として奉公しているといい、参勤交代のお供で諸国を巡る際
出会った菓子の情報を南星屋に教えてくれることになる。


しかし、大火の起きる前、店を慌てた様子で訪ねて来て、「すぐに逃げるように」と
忠告し、封書の文を治兵衛に預ける。
騒ぎが収まったあとで、自分か、その関係者が取りに来るからと。

鹿蔵って何者?と疑問に思いながら、読み進め、最後にその正体がわかる。
南星屋にとって、恩人になった人。

本名は、小暮周馬という。


表題の<うさぎ玉ほろほろ>では、お君の父親でお永の元夫・修蔵を慕う
9歳のかやが、お永に修蔵に三行半を突きつけて欲しいと願いに来る話。

修蔵にも新しい家族が出来る様子でよかった。

お永と雲平は、どうなるんだろ?
そしてお君の縁談話は?


まだまだ、続きが読みたい南星屋シリーズ。
今回も美味しそうな和菓子も一緒に楽しみました♪



                       ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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