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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年5月


迷うのも変えるのも、生き物ががんばって暮らしているから起こる、
素敵なことです――。
外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたチャボの桜。
茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず調子を崩して、
東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。
ある日、茂さんを外へ連れ出してくれる相手を探しに出かけた桜は、
さまざまな出会いを引き寄せることに――。
本邦初! キュートでユーモラスなチャボ小説。


                (ポプラ社HPより)



主人公は、チャボの桜。
ヒヨコのとき、劣悪な環境の小屋で育ち、仲間たちからはつつかれ
ていた桜。
ある日、襲って来た猫から必死で逃げようとしているところを
助けてくれたのが、川平茂。
茂が、子ども向け教材を作る会社の営業をしていたけれど人と話すのが
苦手で精神的に追い詰められ、会社を辞めていた。

傷ついた者同士、お互いが癒しの存在になっているのかな?


茂が通院している朝日町診療所(内科、小児科、心療内科、精神科)にも
付いていく桜。
診療所にいるセキセイインコの師匠と会話する桜。
師匠の元には、他の小鳥たちも外から会話している。

鳥目線で語られる話は愉快だった。

茂が身を寄せているのは、祖父母の営む金物屋。
茂も手伝いをしながら、自身でなんでも屋のような仕事を引き受け
引きこもり生活から、少しずつ抜け出していく。
誰かに自分の存在が必要にされているっていいこと。


この先はどうなるんだろ?と少し気になるけれど、ここまでは
ほのぼのとした物語だった。




                  ★★★

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発行年月:2022年9月


「私たちはどうしようもなく、別々の体を生きている」
夫婦。血を分けた子を持ち、同じ墓に入る二人の他人。
かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、今はーー。
夫が何を考え、どんな指をしているのかさえわからない。
「私のかんむりはどこにあるのか」

                  (幻冬舎HPより)


16歳、光の学校に虎治が父親(自衛官)の転勤で転校してきた。
2人は付き合い始め高校卒業後、一時は別れるが5年後の21歳で再会し再び
付き合い始め、結婚。
それから息子・新が生まれ、虎治が70歳過ぎに亡くなるまでのことが
光の目線で語られる。


ごく普通の夫婦の物語だけれど、そこにある生活の描写はとてもリアル。

子どもが成長し、子どもにも社会のなかで色々な人間関係が出来てきて
そこに発生する問題について、夫婦で意見が違うと、まず
「え?この人こんな人だったっけ?」と思うこと、どこの夫婦にも
あると思う。
その時、夫婦が同じような考え方をする場合は良いけれど・・・
そこから始まる相手への違和感。

でも、まあそれは仕方ないことだよ・・・と10年後くらいのはわかること。
夫婦なんて元々は育った環境の違う他人なんだから。


そういう違和感を抱えながらも大抵は、別れるのも面倒で夫婦を持続させて
いくんだろうな~。
でも子どもが独立して親の役目をほぼ達成した後は、やはり近くに
他愛もない話を出来る存在として夫(妻)がいてくれたらそれは、それで
いいことかな~?


夫婦ってなんだろうな・・・・・
よくわからないね~。


表題の意味もよくわからなかったな。



                       ★★★



発行年月:2020年1月


「この世から逃げたくて仕方がない。
それと同じくらい、この世に触れたくて仕方がない」(本文より)
駆け落ち、逃亡、雲隠れ。
行き詰まった人々が、ひととき住み着く「家」を巡る連作短編集。
家族を捨てて逃げてきた不倫カップル――「はねつき」
逃亡中のヒットマンと、事情を知らない元同級生――「ゆすらうめ」
新興宗教の元教祖だった老齢の婦人――「ひかり」
親の決めた結婚から逃げてきた女とその妹――「ままごと」
子育てに戸惑い、仕事を言い訳に家から逃げた男――「かざあな」

                (集英社HPより)





それぞれの抱える状況が、結構、重たいものだった。

一番、明るいかんじだったのは親の勧める縁談話に反発して一人暮らしを
決めた女性とその妹の話かな?
それも本人たちからしたら、切羽詰まった状況なんだろうけど。。。

この家から出たあとの、それぞれのことが凄く気になるなぁ~。

みんな前より穏やかな心境で生きられたらいいなぁ~


なかなか、面白い短編集だった。



                   ★★★



発行年月:2022年11月


直木賞候補作、高校生直木賞受賞作『くちなし』から4年――
私たちは一人じゃない。これからもずっと、ずっと
愛するものの喪失と再生を描く、感動の物語
幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く……はずだった。順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機――娘の死から、彼女の人生は暗転した。離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり……。(表題作「新しい星」)
美しく、静謐に佇む物語
気鋭が放つ、新たな代表作

                   (文藝春秋HPより)


素敵な話だった。
大学時代、同じ合気道部だった4人の男女。

森崎青子、大橋茅乃、安堂玄也、花田卓馬

30歳を過ぎた彼らはそれぞれの悩みを抱えながら日々を送っている。
時々4人で会ってはしゃいだり、愚痴を言い合ったりと本当にいい関係。


自分をさらけ出せる友の存在が、前を向く力をくれる。
ひとりじゃないって思えるのは強いな。


ラストは、泣けた・・・・(;O;)

茅乃の高校生になった娘・菜緒が母親から自分は好かれていなかったのでは?と
いう誤解を居合わせた玄也が、それは違うよと一生懸命に説明して
誤解を解く場面。

誤解が解けて本当によかった。

菜緒もまた自分が困難にぶつかったとき、頼れる大人が家族以外に3人居るって
きっと心強いと思う。


良い話だったなぁ~。


                    ★★★★★



発行年月:2021年8月


息苦しい今を軽やかに越えゆく一歩を描いた、希望の物語
仕事を辞め、慣れない育児に奮闘する暁彦は、“ママじゃない”ことに限界を感じていた。そんなとき拠り所になったのが、ある育児ブログだった。育児テクニックをそこから次々取り入れる暁彦だが、妻はそれがつらいと言い……(「わたれない」)。私たちに降りかかる「らしさ」の呪いを断ち切り、先へと進む勇気をくれる珠玉の四篇。

                      (角川書店HPより)


4つの話。
どれも良かった。


最初と最後は、現実的な話で中2つはちちょっとSFっぽいかんじ。

<わたれない>
育児と家事に奮闘する男性の話。
どうしても泣き止まない子どもに困り、ネット検索で見つけた育児ブログ。

偶然、出会えたこういう繋がりも今の時代、ありそう。
頑張るお父さんの姿、微笑ましいなぁ~。




<ながれゆく>
七夕の織姫と彦星のお話がモチーフの話。
2人は年に一度しか会えない縛られた生活から逃げることに。
途中、予期せぬことが起きても、二人で選んだことならと受け入れつつ
未来へ。



<ゆれながら>
新しい生殖システムを取り入れた地へユーリは母に連れられ、幼い頃、移り住む。
そして大人になり、研究員として身体パーツの培養を研究するチームに配属。

これは、ちょっと怖いような話だった。



<ひかるほし>
80歳になるタカの幼い時から現在までのことを回顧しながら・・・・
警察官だった夫には、ずっと命じられ、し損なえば怒られ続けてきた。
夫は県知事から勲章を貰ったが、自分には、そういうものがない。
最近の夫は、少しボケてきて、夜中に突然、説教を始めたり
みえない枝を切るように剪定ばさみを部屋で振り回し、警察を呼ぶことに。


ああ、タカさん、大変だ~。
でも孫娘の家族がタカさんに関わってくれることで気晴らしが出来て
大きな救いになっていきそうでホッとした。




なかなか、面白い短編集だった。


                    ★★★★
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