発行年月:2018年7月
時田翼32歳、農協勤務。
大酒呑みで不機嫌な父と二人暮らしで、趣味は休日の菓子作り。
そんな翼の日常が、庭に現れた柚子泥棒との遭遇で動き出す──。
人生が愛おしくなる、大人たちの「成長」小説
(集英社HPより)
母親が11年前に突然、出奔して離婚届が送られて・・・
以後、酒飲みで飲むと威張り散らす父親と二人暮らしの翼。
なんだか、暗い話だなぁ~と最初は、思ってしまった。
翼は、そんな状況でも母親を特別、恨むでもなく、淡々と日々を過ごしている。
そんなある日、出会った隣家の老女・田中絹江の孫・小柳レモン(22歳)。
翼の父親と田中絹江は犬猿の仲だけど、息子と孫は、良い関係になっていく。
翼の小学校時代からの親友・哲也がいいキャラ。
いい友達がいるって大切なことだなぁ~と思う。
翼の周りの人たちの事が連作形式で語られる。
田舎の狭い生活圏なので、窮屈さは時にあるけれど、こんな人間関係が
築かれているのなら逆にいいかも。
みんなそれぞれたまに泣きたいことはあっても、
なんとか周りの人に勇気づけられたりしながら生きているんだなぁ~。
翼が小柳さんと幸せになれるといいな。
鉄也の作戦で、そうなりそうなラストは、微笑ましかった(^^)
いいお話でした。
★★★★
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発行年月:2017年12月
羽猫家は、みんな「嘘つき」である――。
これは、破綻した嘘を突き続けたある家族の、素敵な物語。
若手実力派作家・寺地はるなが描く、ちょっと変わった家族小説が登場!
(中央公論新社HPより)
羽猫家の人々の30年間を長男・山吹を中心に描いている。
始まりは1988年。
山吹8歳、姉の紅は10歳。
弟の青磁は6歳・・・・生きて居たら・・・。
青磁は4歳の時に防火用水槽の中で溺死した。
母親・雪乃は、それから、嘘の世界に逃げる日々が続く。
山吹は、そんな母親の嘘に寄り添う。
青磁になりきって手紙を書くこともその一つ。
姉の紅はそれについて批判的だけど・・・。
父親は妻から逃げるように、愛人の元に通う。
高校生になった紅は20歳も年上の既婚者と付き合い、やがて家から出て行く。
祖母・澄江は唯一、家族の中では普通。
雪乃は、幼なじみの子どもで、幼なじみが残した雪乃を託された。
色々な事がある羽猫家。
それぞれが現実逃避しながら、なんとか前を向いて生きて来た。
山吹は良き理解者の頼と巡り会い、結婚。
家を出たままだった姉のことが気がかりだったが、幸せそうな生活を
送っていると知る。
みんな時を経て、平穏な生活を送れる環境にいることにホッとした。
山吹は優しくて強い。
きっと良い家庭を作って行きそう。
重苦しくなりそうな状況の家族の30年間をユーモラスに描いていて
楽しく読めた。
★★★★
発行年月:2017年1月
実家である天瀬ワイナリーを営み発展させてきた母が、突然倒れ、かえらぬ人となった。
優秀で美しい母を目指して生きてきた双子の姉・光実(みつみ)と、二十六歳になっても逃げることばかり考えている弟・歩(あゆむ)は、自分たちを支えてくれていた母を失い、家業を継ぐ決意をする。
デビュー作『ビオレタ』で高い評価を集めた期待の新鋭による、優しい涙がこみあげる感動作。
(ポプラ社HPより)
双子の姉・光実は出来る方の子。
弟・歩はそうじゃない方。
そんな風に考えていたのは、歩自身だけだったんじゃないかな?
ワイナリーの仕事から離れたくて家を出ていた歩だったけれど、
ワイナリーに戻って、少しずつ仕事を覚え、最後は姉のよき理解者であり
共同経営者としてやっていくんじゃないかな?と思える成長ぶりだった。
歩の親友・広田もいい青年。
光実は、素敵な男性2人に側にいて貰えて幸せだな~。
ワインは飲めないし、興味はないけれど、ワイナリーの仕事の大変さは
理解出来た。
双子のおじいちゃんもお茶目で良かった。
醸造長の日野さんは、ちょっと怖かったけど、少しずつ、歩を認めてくれて
いるかんじで厳しい人というだけで良い人なんだなと安心。
涙がこみあげるほどじゃなかったけれど・・・^^;
なかなか面白かった!
★★★★
発行年月:2017年10月
結婚はしているけれど、子供はいない。しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で今は職を探している弓子39歳。
男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股をかけない、既婚者とは関係を持たない、というルールがある、独身で休職中の楓41歳。
ひょんなことから弓子の逃げた夫を探しに島へと渡る、不惑女二人の旅路。
(光文社HPより)
夫と別居中の弓子(39歳)。
勤めていた会社を辞めた独身の楓(41歳)。
同じアパートの隣同士で暮らし親しくなった二人が、夫がいるかもしれないという
(似た人を見かけたと義母・光恵が島の人から聞いた)島へ向かう。
弓子と楓の関係がなんだかいい。
お互い言いたいことを言えて、一緒にいて楽そうな関係。
夫が以前住んでいた島。そこで夫のハトコ・シズの持家に暫く滞在。
シズは、離婚して5歳の息子・尚太と島に戻って来た。
弓子の夫・宏基のことが幼い頃から好きだったという。
そして今も。
シズがなんとなく嫌なかんじの人だったけど、幼い子どもを抱えて大変な
暮らしだろうから・・・・と考えると仕方ないのかな?
弓子は、シズにとっては憧れの宏基の妻という妬みの対象でもあるわけで。。。
島の暮らしは、なんだかいいかんじ。
ミガワリサマつくりに関わる弓子は、島の人たちと親しくなったし
楓も島の住民と違う関わりを持って、もしかして、ここに移住しちゃう?
なんて一瞬思ったけれど。。。。
最後に弓子が下した決断は、潔かったな~。
うん、きっとそれがいい。
この先、別の幸せが弓子にはあると思う。
精神的に自立して、ひとりになると覚悟を決めた弓子、がんばれ!
いい小説だったな。
★★★★
発行年月:2017年3月
恋人の故郷である朝埜市で、蜂蜜園の手伝いを始めることになった碧。蜜蜂たちの暮らしの奥深さを知る日々のなか、十六年前に自分の人生を助けてくれた不思議なできごとを思い出す――。草木がゆたかに花を咲かせる小さな町。不器用な家族の愛が心にしみる、書き下ろし長篇
(角川春樹事務所HPより)
人生に絶望していた14歳の碧に見知らぬ女性が差し出してくれた、瓶に入った
ハチミツ。女性の言葉とハチミツが碧の生き方を変えた。
もうすぐ30歳になろうとしている碧。
同棲中の安西渉が、仕事を辞めて実家に帰るからついて来ないか?の言葉に乗って
一緒に着いて行く。
が・・・・安西の父親が偏屈おやじで当初の予定が狂う。
実家の離れに暮らす予定が碧だけボロアパートで暮らすことに。
そして、安西家に借金があるという養蜂家の黒江の元に出向き
そこで働くことになる。
最初、黒江、大丈夫か?と思ったけれど、段々、黒江の男気に感動。
良い人じゃん!
驚きの16年ぶりの再会もあって、感動的な話に終わりました!
が。。。安西、へたれな男だな。
碧には、もっと良い人現れるんじゃないの?
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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