発行年月:2010年1月
自殺したかつての不倫相手をパーティーで目撃した女性とその友人を描く表題作ほか、大都会の片隅にたゆたう八人の肖像。
日常に不意に覗く刹那の記憶を切り取るスタイリッシュな短篇集。
(中央公論新社HPより)
8つの短編。
どれも暗く切ないものが漂う話だったよう。
最初の話
「リリ-・マルクレ-ン」で登場のリリ-は、おかま。
62歳になった今もお店を経営し、そこに20年来通っているサトコ。
リリ-が愛した男・洋一の話。その死。
サトコの悲惨な結婚・離婚歴。
出てくる話のどれもが何処か哀しい。
でも、何となく好きな雰囲気だった。
次の話
「風」も印象に残る話だった。
学生時代からの友人・千晶が余命わずかと言うとき告白したことは衝撃的。
千晶の葬儀のときのその光景が美しいような恐ろしいような・・・
千晶の夫の立場で考えると、なんとも罪深い行為で、この物語のその後を想像してしまった。
ほかの話も全部、やはり暗く重いかんじ。
最後の二つ
「猫別れ」と「父の手、父の声」はそれぞれの主人公が親のことを書いたもので、切なくて
なんだか涙が溢れました。
表題作の「東京アクアリウム」は、わたしには大したインパクト薄かったかったな。
表題作は、大抵印象に残るものなんだけど・・・・^^;
小地さんの書くものは、でもやはり好きです。
出来れば、長編が次は読みたいですが・・・。
自殺したかつての不倫相手をパーティーで目撃した女性とその友人を描く表題作ほか、大都会の片隅にたゆたう八人の肖像。
日常に不意に覗く刹那の記憶を切り取るスタイリッシュな短篇集。
(中央公論新社HPより)
8つの短編。
どれも暗く切ないものが漂う話だったよう。
最初の話
「リリ-・マルクレ-ン」で登場のリリ-は、おかま。
62歳になった今もお店を経営し、そこに20年来通っているサトコ。
リリ-が愛した男・洋一の話。その死。
サトコの悲惨な結婚・離婚歴。
出てくる話のどれもが何処か哀しい。
でも、何となく好きな雰囲気だった。
次の話
「風」も印象に残る話だった。
学生時代からの友人・千晶が余命わずかと言うとき告白したことは衝撃的。
千晶の葬儀のときのその光景が美しいような恐ろしいような・・・
千晶の夫の立場で考えると、なんとも罪深い行為で、この物語のその後を想像してしまった。
ほかの話も全部、やはり暗く重いかんじ。
最後の二つ
「猫別れ」と「父の手、父の声」はそれぞれの主人公が親のことを書いたもので、切なくて
なんだか涙が溢れました。
表題作の「東京アクアリウム」は、わたしには大したインパクト薄かったかったな。
表題作は、大抵印象に残るものなんだけど・・・・^^;
小地さんの書くものは、でもやはり好きです。
出来れば、長編が次は読みたいですが・・・。
★★★
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発行年月:2010年4月
母親から異父兄がいることを大人になって知らされた榛名(はるな)。
第1章で、母の死をきっかけに、兄が住むプラハへ向かい出会います。
第2章以降は母、父、そして兄と視点を変えて、
それぞれの人生が綴られます。
角度を変えることで全く違う景色が見える万華鏡。
そんな不思議な魅力を持った長編小説なのです。
(文藝春秋HPより)
美しい物語でした。
母親から父親違いの1つ年上の兄がいると聞かされていた榛名が母親の死後、その兄に会うため単身プラハに向かう。
自分たちの関係は明かさず、ただ会えればそれだけで良いと思いながら・・・・。
アルバイトで外国人旅行者のガイドを勤める兄・聡と共にプラハの街を観光する様子が素敵でした。
二人はこのまま別れてしまうのかな?それは寂しいな~なんて思いながらの第1章でした。
第2章では、病で亡くなった榛名の母・奈緒子のことを第三者が語るかたち。
母・奈緒子の若い頃、聡の父親・芹沢喬との出会いから別れ、榛名の父親・後藤信彦との関係が描かれ、そこにある奈緒子の哀しみは切ない。
二番目の夫・信彦は奈緒子にとって大きな存在であったことがよくわかった。
第3章は、奈緒子が勤めていた介護福祉施設で共に働いたことのある青年・芳雄との関わりを通じて描かれる奈緒子のこと。
奈緒子の明るい人柄や青年が奈緒子に抱いていた温かい気持ちが心地良かった。
第4章は、信彦(榛名の父親)と同じ会社に勤める部下・知沙とのことが描かれている。
知沙は榛名と同い年。会社以外の場でもお互いのことを部下と上司の関係を超えて話せる信頼関係を築くが、節度あるところでおさまり、ホッ。
信彦の人柄も滲み出ていて、素敵な男性だなと思った。
第5章と6章は芹沢が奈緒子と別れたあと、再婚した妻・史恵と二人の娘・恵理のことが描かれる。
芹沢と史恵との出会い、史恵の過去。そして恵理の恋のこと。
みんなそれぞれ、抱えているものがあることに驚いた。
第7章は再び、榛名と聡のこと。
第1章でこの兄と妹は、何も本当のことを語らずまた離れるのか?それは寂し過ぎるだろ!?と思っていたので、この展開は嬉しかった!
父親が違っても、兄と妹であることは変わりない。
二人は今後、兄妹として離れていても繋がって生きていけるんだな~と思うと感動した。
いろんな人の背景にあるものを読ませて貰い、誰もが存在しているなかで多少の哀しみを抱えているんだと思った。
生きていればいろいろあるのは当然で、哀しいことがあってもその後の人生にそれは喜びに変わる元になるかも。
なんて思ったりしました。
トルコにちょっと行ってみたくなった!
母親から異父兄がいることを大人になって知らされた榛名(はるな)。
第1章で、母の死をきっかけに、兄が住むプラハへ向かい出会います。
第2章以降は母、父、そして兄と視点を変えて、
それぞれの人生が綴られます。
角度を変えることで全く違う景色が見える万華鏡。
そんな不思議な魅力を持った長編小説なのです。
(文藝春秋HPより)
美しい物語でした。
母親から父親違いの1つ年上の兄がいると聞かされていた榛名が母親の死後、その兄に会うため単身プラハに向かう。
自分たちの関係は明かさず、ただ会えればそれだけで良いと思いながら・・・・。
アルバイトで外国人旅行者のガイドを勤める兄・聡と共にプラハの街を観光する様子が素敵でした。
二人はこのまま別れてしまうのかな?それは寂しいな~なんて思いながらの第1章でした。
第2章では、病で亡くなった榛名の母・奈緒子のことを第三者が語るかたち。
母・奈緒子の若い頃、聡の父親・芹沢喬との出会いから別れ、榛名の父親・後藤信彦との関係が描かれ、そこにある奈緒子の哀しみは切ない。
二番目の夫・信彦は奈緒子にとって大きな存在であったことがよくわかった。
第3章は、奈緒子が勤めていた介護福祉施設で共に働いたことのある青年・芳雄との関わりを通じて描かれる奈緒子のこと。
奈緒子の明るい人柄や青年が奈緒子に抱いていた温かい気持ちが心地良かった。
第4章は、信彦(榛名の父親)と同じ会社に勤める部下・知沙とのことが描かれている。
知沙は榛名と同い年。会社以外の場でもお互いのことを部下と上司の関係を超えて話せる信頼関係を築くが、節度あるところでおさまり、ホッ。
信彦の人柄も滲み出ていて、素敵な男性だなと思った。
第5章と6章は芹沢が奈緒子と別れたあと、再婚した妻・史恵と二人の娘・恵理のことが描かれる。
芹沢と史恵との出会い、史恵の過去。そして恵理の恋のこと。
みんなそれぞれ、抱えているものがあることに驚いた。
第7章は再び、榛名と聡のこと。
第1章でこの兄と妹は、何も本当のことを語らずまた離れるのか?それは寂し過ぎるだろ!?と思っていたので、この展開は嬉しかった!
父親が違っても、兄と妹であることは変わりない。
二人は今後、兄妹として離れていても繋がって生きていけるんだな~と思うと感動した。
いろんな人の背景にあるものを読ませて貰い、誰もが存在しているなかで多少の哀しみを抱えているんだと思った。
生きていればいろいろあるのは当然で、哀しいことがあってもその後の人生にそれは喜びに変わる元になるかも。
なんて思ったりしました。
トルコにちょっと行ってみたくなった!
★★★★★
発行年月:2009年8月
私の知らない彼の秘密
結婚を約束していた遼平が、アムステルダムで急死した。
一年後、死を受け入れられない美樹は、彼の過ごしたヨ-ロッパを訪れる。
愛をめぐる女性の心の旅を描く、小地真理子の真骨頂。
(集英社HPより)
男性は、離婚歴があるが独身。女性も婚約者と別れた過去はあるが独身。
二人の恋に何ら障害はないのだけど・・・男性が突如、仕事先でもある異国で急死の連絡。
なんて、残酷なスタ-トなのぉ~(/_;)
一年後、彼から電話やメ-ルで知ったヨ-ロッパの各地を、男性の幻を追うように旅する女性。
切ないです。
痛々しいです。
彼との幸せだった思い出を頭に描きながら、今、目の前に彼がいるような錯覚を覚えてしまう美樹。
物語は、ヨ-ロッパ各地を旅する様子と、彼が亡くなった後の日本での美樹の行動などが時々、交錯しながら進んでいく。
自分は彼のことが好きだったが、本当の彼はどうだったんだろ?
彼は自分といて、本当に幸せだったんだろうか?
彼の生い立ちには、やや暗いものがあり、その辺での自分には言えない心の闇を抱えていたままだったのでは?
部屋で亡くなって数日後に発見され、事故ではないとされたが、本当の理由は?
などなど悪い方にばかり考えが巡っていく。
これはいったいどういう結末なんだろ?とやや重い気持ちになりながら読みましたが、ラストはそんな状況のなか、少し心が軽くなれたのはホッとした。
ヨ-ロッパ各地の様子も想像しながら楽しかったし。
アムステルダム国立美術館で思い出に浸る場面は映像化されたらステキだろうなぁ~。
でも、どんな美術館だろ?
早速、調べました! こちらにて。
あ~ステキな美術館!わたしも行ってみたい!!
ロマンチックな大人の純愛スト-リ-というかんじで、素敵でした!
これは、再読したいな。
私の知らない彼の秘密
結婚を約束していた遼平が、アムステルダムで急死した。
一年後、死を受け入れられない美樹は、彼の過ごしたヨ-ロッパを訪れる。
愛をめぐる女性の心の旅を描く、小地真理子の真骨頂。
(集英社HPより)
男性は、離婚歴があるが独身。女性も婚約者と別れた過去はあるが独身。
二人の恋に何ら障害はないのだけど・・・男性が突如、仕事先でもある異国で急死の連絡。
なんて、残酷なスタ-トなのぉ~(/_;)
一年後、彼から電話やメ-ルで知ったヨ-ロッパの各地を、男性の幻を追うように旅する女性。
切ないです。
痛々しいです。
彼との幸せだった思い出を頭に描きながら、今、目の前に彼がいるような錯覚を覚えてしまう美樹。
物語は、ヨ-ロッパ各地を旅する様子と、彼が亡くなった後の日本での美樹の行動などが時々、交錯しながら進んでいく。
自分は彼のことが好きだったが、本当の彼はどうだったんだろ?
彼は自分といて、本当に幸せだったんだろうか?
彼の生い立ちには、やや暗いものがあり、その辺での自分には言えない心の闇を抱えていたままだったのでは?
部屋で亡くなって数日後に発見され、事故ではないとされたが、本当の理由は?
などなど悪い方にばかり考えが巡っていく。
これはいったいどういう結末なんだろ?とやや重い気持ちになりながら読みましたが、ラストはそんな状況のなか、少し心が軽くなれたのはホッとした。
ヨ-ロッパ各地の様子も想像しながら楽しかったし。
アムステルダム国立美術館で思い出に浸る場面は映像化されたらステキだろうなぁ~。
でも、どんな美術館だろ?
早速、調べました! こちらにて。
あ~ステキな美術館!わたしも行ってみたい!!
ロマンチックな大人の純愛スト-リ-というかんじで、素敵でした!
これは、再読したいな。
★★★★★
発行年月:2009年3月
開業医として働く月川夏子は、大手出版社社長の智之と結婚して7年。
夫の前では、愛されるしっかり者の妻を、智之と亡き先妻との娘・りえの前ではおおらかな継母として頑張ってきた。
しかし、ある日、りえの親友の兄という青年・旬に出会い、自らの心の中を見つめ直すことになる。
結構、厚い本でしたが、読み始めたら一気に読み終えました。
主人公の夏子は45歳。
先妻との娘・りえは大学院生で、婚約者がいる。
娘が婚約者と、最近仲良くなった女友だちとその兄を連れて家で家族が集まる場面からスタ-トする物語。
たわいもない楽しい会食のなかで、ちょっと変わった雰囲気を漂わせる娘の親友の兄・旬。
美しい容姿だが、どこか寂しげな影のようなものを感じる。
予想どおり、この物語はやがて、旬と夏子の関係に焦点が置かれて行くわけだけど、その周りの家族にもやや不穏な展開が・・・・。
旬という青年の育った生い立ちには、切ないものがあり、自分の中にどこか空虚感を抱いている。
夏子は、当初、そんな旬の様子に警戒感を持つが、言葉を交わすうち、自分のなかにある封じ込めていたような思いに気づかされた様子。
夫の亡くなった先妻と、その娘の存在。
自分の家庭でありながら、どこか自分の本当の居場所とは違うような違和感を時々、感じること。
そんな気持ちを旬には見透かされているような恐れ。
旬の起こす行動は、途中から異常なものになるけど、それも本人にとっては、切実な対処方法だったのか?と考えると、ちょっと母性本能を刺激されちゃう面もあったり・・・。
夏子と同年代のわたしには、彼女の行動などが理解出来るものであったので、最初から最後まで感情移入しちゃいました^^;
でも、今回のお話は、新聞の連載小説だったせいか、性描写はとても控えめ。
それもかえって良かった!
★★★★
開業医として働く月川夏子は、大手出版社社長の智之と結婚して7年。
夫の前では、愛されるしっかり者の妻を、智之と亡き先妻との娘・りえの前ではおおらかな継母として頑張ってきた。
しかし、ある日、りえの親友の兄という青年・旬に出会い、自らの心の中を見つめ直すことになる。
読売新聞掲載小説
結構、厚い本でしたが、読み始めたら一気に読み終えました。
主人公の夏子は45歳。
先妻との娘・りえは大学院生で、婚約者がいる。
娘が婚約者と、最近仲良くなった女友だちとその兄を連れて家で家族が集まる場面からスタ-トする物語。
たわいもない楽しい会食のなかで、ちょっと変わった雰囲気を漂わせる娘の親友の兄・旬。
美しい容姿だが、どこか寂しげな影のようなものを感じる。
予想どおり、この物語はやがて、旬と夏子の関係に焦点が置かれて行くわけだけど、その周りの家族にもやや不穏な展開が・・・・。
旬という青年の育った生い立ちには、切ないものがあり、自分の中にどこか空虚感を抱いている。
夏子は、当初、そんな旬の様子に警戒感を持つが、言葉を交わすうち、自分のなかにある封じ込めていたような思いに気づかされた様子。
夫の亡くなった先妻と、その娘の存在。
自分の家庭でありながら、どこか自分の本当の居場所とは違うような違和感を時々、感じること。
そんな気持ちを旬には見透かされているような恐れ。
旬の起こす行動は、途中から異常なものになるけど、それも本人にとっては、切実な対処方法だったのか?と考えると、ちょっと母性本能を刺激されちゃう面もあったり・・・。
夏子と同年代のわたしには、彼女の行動などが理解出来るものであったので、最初から最後まで感情移入しちゃいました^^;
でも、今回のお話は、新聞の連載小説だったせいか、性描写はとても控えめ。
それもかえって良かった!
★★★★
発行年月:2008年12月
四日間の夏季休暇を取った初日、カフェでくつろいでいた由香は偶然、通りかかった以前の恋人・拓に出会う。
二人が出会った高校生時代~大学時代の思い出を懐かしくふたりで思い出しながら、あの時、それぞれが相手に抱いていた想いが蘇る。
短めのお話です。
50歳半ばの男女が以前、恋人同士だった時代の出来事を思い出しながら、その時の想いも改めて吐き出しながら、別れた後、お互いの結婚のこと、近況などを報告し合う。
この物語は、設定がこの年代だから活きるのでしょうね。
大人の会話。
付き合っていたのは、まだ若い頃。
その時、お互いが抱いた感情や行動は今、振り返ってみれば、疑問に思うこともあり「どうして別れたんだろうね?」なんて共通の思いになり・・・・。
いいな。こういう話。
好き。
やっぱり小池さんの描く情景が好きなのかな?
お洒落なカフェの周りの風景も文章から容易に頭にイメ-ジが湧いて来ました。
読み方によっては、どこにでもある話だし、何の面白みもないじゃない!?と言われちゃそうだけど、わたしは好きです。
ラストもよかった。
なんとなく、このふたりにはまた違う季節も巡ってくるような予感がして・・・。
小池真理子さんのファンなら満足の1冊じゃないでしょうか?
★★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
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