発行年月:2012年12月
この街でなら、明日が変わる。
海が見える市立図書館で働く20、30代の4人の男女を、誰も書けない筆致で紡ぐ傑作連作中編集。
一年あれば、奇跡も起きる。
●「マメルリハ」……7月、僕の変わらない日常に異変が起きた。
●「ハナビ」……11月、私のまわりで違う何かが起きている。
●「金魚すくい」……2月、俺はまた理解されずに、彼女を待つ。
●「肉食うさぎ」……5月、わたしの誕生日を祝う人がいる街で。
(講談社HPより)
とある市立図書館で働く人たちの物語。
主人公が代わりながら連作形式で進む・
<マメルリハ>
図書館司書の本田31歳(男)。
インコのマメルリハと暮らしている。
毎日何んら変わらぬ日常に、新しく派遣職員として来た鈴木春香の存在が
彼の日常を変えていく。
<ハナビ>
図書館司書の日野25歳(女)。
花火大会のとき、先輩の本田が亀すくいですくってくれた亀をハナビと名付けて
飼っている。
本田に好意を抱くが本田は自分に恋愛感情はなさそう?
<金魚すくい>
本田と同期の松田。
図書館と併設する児童館の職員として働く。
女子中学生を恋愛対象として特別な感情を抱いているが、本田以外はそのことを
知らない。
<肉食うさぎ>
図書館の派遣職員の鈴木春香25歳。
うさぎのデニーロと住んでいる。
アイドル並みの容姿。
デニーロを売っていた男と以前付き合いDVに悩まされて逃げてきた。
図書館での契約は1年。
4人の男女のそれぞれのこと。
それぞれの人間関係の絡みが面白かった。
本田と春香は、相思相愛に徐々に展開していくのが読んでいて楽しかったけれど
日野と松田の関係は、どうなんだろ?
松田は急に辞職したというけれど、その後、どうしているのやら???
過去に起きたことも何やら深刻で、一番、今後のことが心配な松田の
その後が分からず仕舞いというのがちょっと不満だな~。
もしかして続編ありってこと?
でも、これ2012年発刊なんだよね。
その間続編らしきものはないかんじだしなぁ~。
★★★
発行年月:2014年8月
朝のラッシュ時に電車が停止! そのとき、大学生、フリーター、デザイナー、OL、引きこもり、駅員は? 突然のアクシデントに見舞われた若者6人のドラマを描く私鉄沿線・恋愛青春小説!
<大学生は、駅の前>
授業に向かおうとしていた町田だったがm電車が運航停止していた。
混雑する駅前で佇んでいると憧れの上原さんと遭遇。
一緒に歩いて大学に向かうことになった。
町田にはなんとなく付き合っている彼女・百合がいて、上原さんには
教授との噂がある・・・。
<フリーターは、ホームにいた>
久しぶりに充実した朝を迎えた永山だったが、バイトに向かうための電車が来ない。
ホームのベンチで休んでいるうちに眠ってしまい大遅刻。
バイト先の社員・柴崎と顔を合わせたくない・・・電車とバスに乗ってプチ逃避行へ!
<デザイナーは、電車の中>
停止した電車の中では強烈な尿意に襲われている高畑は、憧れのデザイン事務所の
面接に向かうはずだった。
いま勤めている事務所は小さく、やりたい仕事ではない。
でも居心地は悪くないし気の合う事務員・不動さんがいる。
自分の居場所はここでいいのか?
<OLは、電車の中>
恋人の家に泊まったゆえにいつもと違う沿線の電車に乗った立川。
運悪く停車してしまった電車の中で冴えない先輩社員・松本さんとばったり遭遇。
恋人の飯田さんにはあまり良い噂がなく、元彼は最低だし、本当は松本さん
みたいな人が良いのかも・・・。
<引きこもりは、線路の上>
引きこもって三年目になる神田。
彼女も友達もいたのに、ふとしたきっかけで外に出られなくなった。
仲の良かった妹には嫌われ、家族の荷物となっている。
本当は学校でもいじめられていた----久しぶりにすがすがしさを感じた朝、
死を決意して駅に向かう。
<駅員は、線路の上>
駅員・加奈の不注意でホームから落ちたお客さまが、線路上を走っていってしまった。
結果、1時間半も電車を停めてしまい、すっかり仕事への自信を失った加奈。
運転士になる夢、母となり家庭を築く夢、25歳のいま、今後どう生きて
いきたいのか悩む。
<実業之日本社HPより)
電車が止まってしまったことにより、予想外の出来事に巻き込まれれていく
人たちの姿が描かれていて、なかなか面白かった。
けれど、後ろ2つの話で電車を停める原因のひとつになった引きこもり青年の
苦悩は辛かったなぁ~。
親の立場で読んでいたので、どうすればいいんだろ?と思いながら読んだ。
些細な言動も人を傷つけてしまうということを皆が想像できる力があれば良かったのに
教師にもそういう想像力がない場では仕方ない。
そこから逃げて自分を守るしか青年には選択肢がなかったんだな。。。
死のうと思ったけれど、線路に落ちたのは、駅員さんがぶつかったからで
駅員さんもほかのお客さんからぶつけられたからだけど
変なキッカケではあったけれど、これが青年の何か良いキッカケになるといいなと
思った。
家族さえも敵に思えるってこのままじゃ辛すぎるから・・・。
★★★
発行年月:2014年5月
「眠ると、夢の中でも溝口と二人で漫才をやっている」
偶然見に行った「南部芸能事務所」のお笑いライブに魅了され、芸人を志した大学生の新城は、事務所の研修生になった。コンビを組んだ溝口との厳しい稽古を経て、初舞台に立った二人に、社長から渡されたギャラは「1000円」。相方と分けて残った500円玉を握りしめて、新城はその使い道を考えるのだが――。
「神様に会うには、まだ早いです。オレはまだ何もできていません」
芸の道と恋人。かつてのスターコンビの結末。ブサイク芸人のほのかな恋心。そして、ライバルコンビの出現……弱小プロダクション「南部芸能事務所」に集まってくる、「いろんな人の、いろんな人生」を、誰も書けない筆致で描く、連作短編集。
(講談社HPより)
「南部芸能事務所」を舞台に、そこで頑張る人たちの物語。
漫才コンビ、新城溝口のちのメリーランド。
佐倉と榎戸のインターバル、川崎と長沼のスパイラル、野島、中野、中嶋のナカノシマ。
ものまね女芸人の津田。
芸能事務所でバイトする鹿島ちゃん、保子師匠に事務所社長。
事務所外では、新城の彼女の美沙。
だれもかれも素敵なキャラクター。
お笑い芸人の苦労話としても楽しめて、みんな売れて欲しいなぁ~と思った。
ちょいちょい恋バナも挟んでいるのもその行方も気になり一気読み。
これは続編あったら読みたいな~と思ったら・・・
この前編に当たる「南部芸能事務所」があった!
知らなかったぁ~。
そちらも読んでみたいな~。
ああ、楽しかった!
★★★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;