発行年月:2024年9月
5年間勤めた会社を辞め、街の小さな喫茶店「ブルー」でアルバイトをする鳴海優輝。「ブルー」には、秘密を抱えた人々が集まってくる。打ち明けられる秘密に向き合う鳴海にも、周りに言えない想いがあった。セクシュアリティの多様性を繊細に描く、畑野智美の新たな代表作。
(光文社HPより)
喫茶ブルーのマスター・蒼井啓介の元でアルバイトとして働く鳴海優輝(28歳)。
鳴海が会社を辞めたのは、会話に疲れ自分を取り繕うことが苦痛になったから。
男は女と付き合うのが普通。彼女がいないのはつまらない。などなど・・・
自身は恋愛に興味がなく性欲もない・・・・アロマンテックでアセクシャル。
喫茶ブルーの常連さんたちのなかに、性的マイノリティの人たちがいて
そんな人たちとの関わりを通じ、鳴海はいつか、自分もこういう人たちの憩いの場と
なれるようなカフェを持ちたいと考える。
性的マイノリティの事は、小説やドラマで取り上げられることも増えたので
そういう人たちに対して、ある程度は理解しているつもり。
でも、こういう物語を読むと、本人たちが抱えている思いは実に複雑で、それを
理解するのは本当に難しいなと思った。
ただ偏見は持たないでいたいと思う。
心無い言葉に傷ついたりしながらも、理解しようとしてくれる存在があったり
気持ちを素直に吐き出せる人がそばにいることは、こういう人たちには大切なんだと。
主人公の鳴海が、自分の道を進めるようになったようで、よかった。
★★★★
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発行年月:2023年9月
いとや手芸用品店を営む木綿子は、35歳になった今も恋人がいたことがない。台風の日に従業員募集の張り紙を見て、住み込みで働くことになった28歳の光は、母親が家を出て以来“普通の生活”をしたことがない。そんな男女2人がひとつ屋根の下で暮らし始めたから、周囲の人たちは当然付き合っていると思うが……。不器用な大人たちの“ままならなさ”を救う、ちいさな勇気と希望の物語。
(中央公論新社HPより)
最初は、どうなることやら・・・という最悪な状況だったけれど
これは、運命だったね!と思える展開になって
最後は、ただただ嬉しかった!
「ヨルノヒカリ」って名前でした!夜野 光(28歳)。
幼いころ、母親と二人暮らしで、父親(?)が度々、変わる生活。
そして、ある日、母親は帰って来なくなり、光が22歳の時、知らない場所で
一人で亡くなったことを知る。
光が台風の日、家に居られなくなり避難場所を探しながら歩いて
偶然、見つけた<いとや手芸用品店>
住み込み可の従業員募集の張り紙!
後日、店主・糸屋木綿子と面接し、採用。
木綿子と光の暮らしぶりが、なんともいいかんじ。
二人とも似ている。
最初から波長が合っている。
木綿子は、誰が見ても美人なのに、恋愛経験がなく、恋愛をするという感情に
なったことがないという。
一度、仕事の関係で接していた人から好意を持たれたけれど、以後、嫌悪感を
抱くようになってしまったという。
こういうことで悩んでいる人もいるんだなぁ~。
二人がそれぞれ悩みながら、ふたりで生活していくことを続けていこうと
決めたことは良かった!
ずっと穏やかな気持ちで暮らせるといいな。
光にも木綿子にも気にかけてくれる友達がちゃんといるのもいい。
温かい物語だった。
★★★★★
発行年月:2018年3月
大人は、片想いなんてしないと思ってた。
彼氏がいなくても充実していた日々が、恋をして大きく動き出す!
ときめく心を取り戻す長編小説。
(中央公論新社HPより)
主人公の葛城命(メイ)は、35歳、独身。
外食産業の会社でカフェの副店長。
27歳のとき、高校時代から付き合っていて結婚まで考えた男性に
振られ、以来恋もせず。
両親は離婚していて、一緒に暮らしていた母親は病死。
いざというとき、頼れるのは親友・みっちゃんと大ちゃん。
共に高校時代からの友。
しかし、そんなメイにも変化が!
好感が持てる主人公なので、なんとか幸せになって欲しいなぁ~と思いながら
読みました。
カフェの常連客の一人、塾で数学を教える羽鳥との少しずつ親しくなっていく
様子が微笑ましくて・・・。
お互い、傷ついた過去があるからこそ、少し臆病で慎重。
うん、実にお似合い!
ラストの場面は、胸キュンだったなぁ~^m^
ほかの人物たちも魅力的だった。
特に新人の杉本君!
最初は、イケメンでも生意気で帰国子女ってことを自慢したいのか?と
感じ悪かったけど、本当は裏表がないだけで良い子だったな。
楽しい小説でした♪
★★★
発行年月:2017年11月
郊外にあるショッピングセンターのシネコンでは、学生やフリーターや主婦たち百人近くが働いている。今日のクリスマス・イブは、日曜日で舞台挨拶やイベント上映もあるから、かなりの人数が出勤しているようだ。恋に悩み、コンプレックスを抱え、将来に不安を感じながら、慌ただしく走りまわるスタッフたちの、長くて短い一日がはじまる。
シネコンでのアルバイト経験ある著者が、自らの青春を詰めこんだ連作短編集。
(光文社HPより)
クリスマスイブの日、
シネコンで働く人たちの人間模様あれこれ。
たくさんのスクリーンがあって色々な映画を同時上映しているシネコン。
働くのは大変そうだなぁ~。
それなのに、バイトは時給800円で新人もベテランも一律って
少し前の時代の話??
あ、著者がシネコンバイト経験者だから、その当時のことかな?
物語の主人公とか特別ないけど、舞台になっているシネコン開業当時から
バイトで働いている島田貴実と岡本が軸かな?
二人が遭遇したという5年前の事件というのが最初から気になる。
事件の話は途中、出て来たけれど、そういうこと実際にもありそう。
それを機に、二人の関係がややぎくしゃくしたものになってしまった
そうだけど、最後はハッピーエンドで良かった♪
バイト同士の恋バナより、主婦バイトの宮口さんの話がジーンと来た。
わざわざ、この日にバイトを入れた宮口さんだったけれど、
この後は、楽しいイブを家族で過ごしたんだろうなぁ~(^^)
映画館のお仕事の裏側も知れて、なかなか面白かった!
★★★
発行年月:2015年6月
コンビ名「メリーランド」として南部芸能事務所の舞台に立つ新城と溝口。しかしライバルは多く、明るい未来はまったく見えない。「オレたちはつづけられるんだろうか」誰もが悩み、日々苦しんでいる。そんな芸人を見つめる「家族」たち。そこには確かに「愛」と「笑い」がある。南部芸能シリーズ待望第3弾。
(講談社HPより)
第4弾の「オーディション」を先に読んで、こちらもあるのを知り急いで読みました。
南部芸能事務所に所属する「メリーランド」の新城と溝口。
ナカノシマの3人。
また別の事務所ではあるけれど、交流を持っているインターバルの榎戸と佐倉。
それぞれが、芸人としてまだ売れてはいない頃のはなし。
芸人としてやっていけるのか?不安な気持ちをそれぞれが抱きながら
でもやはりこのままやっていきたいとも思う。
それぞれの家族のこと、恋愛のこと、彼らの周りの人間関係が綴られていた。
南部事務所のテネシー師匠と溝口の父親の関係がわかった話は、感動的だった。
「メリーランド」も「ナカノシマ」も「インターバル」も頑張れ!
新たな活躍の様子を、また読みたいなぁ~。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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