発行年月:2025年3月
愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚
痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。
『銀花の蔵』で直木賞候補、
いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”!
売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生……
大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。
◎松虫通のファミリア
「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。
◎ミナミの春、万国の春
元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。
(他、計6篇)
(文藝春秋HPより)
大阪に馴染みはないけれど、人情に厚いひとたちの温かい話で
大阪に詳しかったら、もっと楽しめたんだろうなぁ~と思う。
短編集だけれど繋がりがあるので、ああ、あの話は、こういうことだったのか
と気づきながら読めるのもよかった。
共通しているのは、姉妹の漫才コンビ「カサブランカ」のハナコとチョーコ。
彼女たちに憧れて芸人を目指し、コンビを組んだ「はんだごて」の
ハルミとヒデヨシ。
最初の話は、ハルミの子ども・彩(5歳)を祖父である吾郎が
彩を預かっているヒデヨシの元に迎えに行く話。
最初の話を読んだ時点では「?」と思うことが、段々と後の話から分かってくる。
時代は1995年から現在・2025年の大阪万博の頃まで。
1995年・・・・阪神・淡路大震災の年。
彩をなぜ祖父が迎えに行ったのかの背景にあったことは、ちょっと
辛い話だった。
それでも最後の章では、彩の結婚式で、色々大変なことを乗り越えて
その場にいる人たちが皆、穏やかな気持ちで彩を祝っている場面。
良いお話でした!
★★★★
(文藝春秋HPより)
大阪に馴染みはないけれど、人情に厚いひとたちの温かい話で
大阪に詳しかったら、もっと楽しめたんだろうなぁ~と思う。
短編集だけれど繋がりがあるので、ああ、あの話は、こういうことだったのか
と気づきながら読めるのもよかった。
共通しているのは、姉妹の漫才コンビ「カサブランカ」のハナコとチョーコ。
彼女たちに憧れて芸人を目指し、コンビを組んだ「はんだごて」の
ハルミとヒデヨシ。
最初の話は、ハルミの子ども・彩(5歳)を祖父である吾郎が
彩を預かっているヒデヨシの元に迎えに行く話。
最初の話を読んだ時点では「?」と思うことが、段々と後の話から分かってくる。
時代は1995年から現在・2025年の大阪万博の頃まで。
1995年・・・・阪神・淡路大震災の年。
彩をなぜ祖父が迎えに行ったのかの背景にあったことは、ちょっと
辛い話だった。
それでも最後の章では、彩の結婚式で、色々大変なことを乗り越えて
その場にいる人たちが皆、穏やかな気持ちで彩を祝っている場面。
良いお話でした!
★★★★
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発行年月:2023年9月
紀州の山間の小さな町に紅滝という美しい滝がある。その滝には運命の恋と信じた相手に裏切られた姫の、哀しい伝説が残されていた。だが、伝説が語らない恋の歴史があった。それは逃れることのできないさだめの螺旋。現代から過去――大正、江戸、安土桃山、そして南北朝へと逆巻きに、二人は出会いを繰り返す。恋に呪いをかけた二人の誓いとは。紅滝に奇跡は起きるのか。
感動のクライマックスが読む者を圧倒する傑作。
(光文社HPより)
5つのお話。
別々の話だけれど、舞台になっている場所は同じ。
紅滝という美しい滝、そのそばに祀られたお姫様の哀しい伝説。
最初の話は、現代。
滝のそばにある旅館・瀧口屋の娘・美鳩。
秋に行われる滝祭りの「紅姫」役を無事に終えたあと不幸な事故で亡くなる。
それから5年ほど経ち、一人の男・望月志郎が引っ越してくる。
美鳩と望月のなんとも哀しい恋。
次の話は大正時代。
その次は、江戸時代、そして安土桃山時代、鎌倉・室町時代へと過去へ進み
紅姫伝説の元の話は最後にわかる。
どの時代にも「望月」という男が出てくる。
この世に未練を遺したまま、時代により姿を変えて蘇ってきているのか?
なんとも不思議な人の強い情念のようなものを感じる。
遠田さんは、哀しい話を描くのが本当に巧い。
★★★★
(光文社HPより)
5つのお話。
別々の話だけれど、舞台になっている場所は同じ。
紅滝という美しい滝、そのそばに祀られたお姫様の哀しい伝説。
最初の話は、現代。
滝のそばにある旅館・瀧口屋の娘・美鳩。
秋に行われる滝祭りの「紅姫」役を無事に終えたあと不幸な事故で亡くなる。
それから5年ほど経ち、一人の男・望月志郎が引っ越してくる。
美鳩と望月のなんとも哀しい恋。
次の話は大正時代。
その次は、江戸時代、そして安土桃山時代、鎌倉・室町時代へと過去へ進み
紅姫伝説の元の話は最後にわかる。
どの時代にも「望月」という男が出てくる。
この世に未練を遺したまま、時代により姿を変えて蘇ってきているのか?
なんとも不思議な人の強い情念のようなものを感じる。
遠田さんは、哀しい話を描くのが本当に巧い。
★★★★
発行年月:2022年3月
圧巻。ついに。
ラストの情景はぴたりと見事に着地が決まって、これしかないという美しさだ。ひとは、こういうカタルシスを覚えたくて、物語を読むのだろう。 村山由佳
父が壊した女。それでも俺はあの女が描きたい。
『銀花の蔵』『雪の鉄樹』『オブリヴィオン』の著者が放つ、
人間の業の極限に挑んだ、衝撃の問題作
しがない日本画家の竹井清秀は、妻子を同時に喪ってから生きた人間を描けず、「死体画家」と揶揄されていた。ある晩、急な電話に駆けつけると、長らく絶縁したままの天才料理人の父、康則の遺体があり、全裸で震える少女、蓮子がいた。十一年にわたり父が密かに匿っていたのだ。激しい嫌悪を覚える一方で、どうしようもなく蓮子に惹かれていく。
(講談社HPより)
一気読み。凄い話で疲れたぁ~。
狂気だらけの世界。
父親のことを憎み嫌いながらも自らも自分の欲望のために同じように堕ちていく。
芸術家って、恐ろしい。
冒頭で、日本画家の竹井清秀(35歳)の余命は短いと知らされているので
こんな狂気に向かっていく姿も想像したけれど、想像以上に壮絶だった。
清秀の伯父・治親は作家で、このなかでは真っ当な考え方をする人かと思われた
けれど・・・違った。
作家として、書かなくてはと思ってしまったんだろうか?
そんな狂気の人たちに利用された少女・蓮子は、このあと、どうなったんだろう。
何処かで穏やかに暮らせていればいいけれど・・・・
嫌な話だけれど、物語としては、面白かった!
★★★★★
(講談社HPより)
一気読み。凄い話で疲れたぁ~。
狂気だらけの世界。
父親のことを憎み嫌いながらも自らも自分の欲望のために同じように堕ちていく。
芸術家って、恐ろしい。
冒頭で、日本画家の竹井清秀(35歳)の余命は短いと知らされているので
こんな狂気に向かっていく姿も想像したけれど、想像以上に壮絶だった。
清秀の伯父・治親は作家で、このなかでは真っ当な考え方をする人かと思われた
けれど・・・違った。
作家として、書かなくてはと思ってしまったんだろうか?
そんな狂気の人たちに利用された少女・蓮子は、このあと、どうなったんだろう。
何処かで穏やかに暮らせていればいいけれど・・・・
嫌な話だけれど、物語としては、面白かった!
★★★★★
発行年月:2021年4月
業を背負う男たち、奇蹟のロードノベル
兄さん、今からあんたを殺しに行くよ――。
大阪ミナミでカレー屋を営む三宅紘二郎のもとに、ある日一通の絵葉書が届いた。葉書に書かれた漢詩に、紘二郎の記憶の蓋が開く。50年前、紘二郎の住む廃病院で起きた心中事件。愛した女、その娘、彼女たちを斬殺した兄……人生の終盤を迎えた紘二郎は、決意を固めた。兄を殺す、と。
思い出の旧車を手に入れ、兄の住む大分日田へ向かおうとする紘二郎の前に現れたのは、中古車店の元店長を名乗る金髪の若者・リュウだった。紘二郎の買ったコンテッサはニコイチの不良車で危険だと言う。必死に止めようとする様子にほだされ、紘二郎は大分への交代運転手としてリュウを雇うことに。孫ほど年の離れた男との不思議な旅が始まった。
かつて女と暮らした町、リュウと因縁のある男との邂逅、コンテッサの故障……道中のさまざま出来事から、明らかになってゆく二人の昏い過去。あまりにも陰惨な心中事件の真相とは。リュウの身体に隠された秘密とは――? 旅の果て、辿りついた先で二人の前に広がる光景に、心揺さぶられる感動作。2020年直木賞候補となり、いま最も注目を集める作家が贈る、渾身の一冊
(小学館HPより)
重たい話だけれど、今回も最初から最後まで引き込まれるように読んだ。
主人公の三宅紘二郎(74歳)が、兄からのはがきが届いたことで、50年前に
兄が起こした事件についての感情が爆発し、大阪からはがきにあった住所
大分県に向かう。
想いれのある車・コンテッサを手に入れ、それに乗って・・・
旅のお供となるリュウ(25歳)との掛け合いがなかなか楽しかったが
物語の軸は兄への恨みを持つ紘二郎が会いにいくというものなので結末が
最初から気になる。
兄は、かつて自分の恋人だった睦子とその子ども桃子(5歳)を殺し、自分も
死のうとしたが死ねきれず逮捕。罪を償い今は静かに暮らしている様子。
過去の紘二郎、兄の征太郎、睦子の関係は、紘二郎の親と睦子の親が決めた
婚姻だった。
征太郎と睦子はずっと前から婚約者同士。しかし弟の紘二郎と睦子は駆け落ち。
3人の悲劇は親のエゴから。
そして紘二郎と旅をするリュウもまた母親によって、とんでもない苦難の道を
歩くことになった。
親が子どもの生き方まで決めてしまうことで、皆が不幸になっている。
辛すぎる。
兄の起こした事件の真相が最後にわかる。
兄の征太郎の視線での話も知りたかった。
そんな風にしなければならない状況になってしまった背景にあるのは
親の希望を叶えたから。
そんな兄を子どもの頃から慕っていた香代が征太郎のそばに最期はいたのが
少し救い。
リュウも最期は安らかな気持ちだったのかな?
そして残された紘二郎はこのあと、どんな気持ちで生きていくのか?
まだまだ辛い気持ちを引きずるだろうけれど、気持ちに寄り添ってくれる人が
現れるといいな。
★★★★★
(小学館HPより)
重たい話だけれど、今回も最初から最後まで引き込まれるように読んだ。
主人公の三宅紘二郎(74歳)が、兄からのはがきが届いたことで、50年前に
兄が起こした事件についての感情が爆発し、大阪からはがきにあった住所
大分県に向かう。
想いれのある車・コンテッサを手に入れ、それに乗って・・・
旅のお供となるリュウ(25歳)との掛け合いがなかなか楽しかったが
物語の軸は兄への恨みを持つ紘二郎が会いにいくというものなので結末が
最初から気になる。
兄は、かつて自分の恋人だった睦子とその子ども桃子(5歳)を殺し、自分も
死のうとしたが死ねきれず逮捕。罪を償い今は静かに暮らしている様子。
過去の紘二郎、兄の征太郎、睦子の関係は、紘二郎の親と睦子の親が決めた
婚姻だった。
征太郎と睦子はずっと前から婚約者同士。しかし弟の紘二郎と睦子は駆け落ち。
3人の悲劇は親のエゴから。
そして紘二郎と旅をするリュウもまた母親によって、とんでもない苦難の道を
歩くことになった。
親が子どもの生き方まで決めてしまうことで、皆が不幸になっている。
辛すぎる。
兄の起こした事件の真相が最後にわかる。
兄の征太郎の視線での話も知りたかった。
そんな風にしなければならない状況になってしまった背景にあるのは
親の希望を叶えたから。
そんな兄を子どもの頃から慕っていた香代が征太郎のそばに最期はいたのが
少し救い。
リュウも最期は安らかな気持ちだったのかな?
そして残された紘二郎はこのあと、どんな気持ちで生きていくのか?
まだまだ辛い気持ちを引きずるだろうけれど、気持ちに寄り添ってくれる人が
現れるといいな。
★★★★★
発行年月:2021年2月
伊吹の双子の姉・朱里は20歳の誕生日を向かえた日、なんの前触れもなく自殺した。朱里の遺品の中から大衆演劇「鉢木座」の半券が見つかり、それが死ぬ前の最後の足取りであることを知った伊吹は、少しでも真相に迫るべく一座の公演に行った。公演後、座長に詰め寄る伊吹の姿を見た若座長の慈丹は、その容姿を見初め、入団を強く進めた。伊吹は何か手がかりが掴めるのではと入団を決意し、以降、訓練と舞台に追われながらも、「女形」としての人気も得始めていた。そんなある日、ひょんなことから両親と鉢木座との繋がりが露見することに。それは鉢木座の過去に秘められた禁断の事実だった……。血脈に刻まれた因縁、人間の最果てと再生を描いた問題作。
(集英社HPより)
冒頭のシーンから衝撃的で、なぜ、自ら命を絶たなくてはならなかったのか???
双子の弟・伊吹は、自死した姉の朱里の死の真相を探るため、朱里が亡くなる前に
訪れていた大衆演劇の鉢本座を訪ねる。
初めて見る大衆演劇の舞台でひときわ輝いていた鉢本慈丹に魅入る。
そして、慈丹に会い、鉢本座の一員にならないかと誘われる。
大衆演劇のことは、全く知らないけれど、ひき込まれるように読んだ。
生まれながら、演劇の世界にいる慈丹と、伊吹の関係を知ったときは
驚いたけれど、二人が出会えてよかった!!
伊吹がずっと抱えてきたものを慈丹が軽くしてくれるでしょう。
しかし、亡くなった朱里と伊吹の両親には、腹が立った。
特に母親。
愛せない子どもをなぜ、産んだのか?
自分勝手としか思えない。
★★★
(集英社HPより)
冒頭のシーンから衝撃的で、なぜ、自ら命を絶たなくてはならなかったのか???
双子の弟・伊吹は、自死した姉の朱里の死の真相を探るため、朱里が亡くなる前に
訪れていた大衆演劇の鉢本座を訪ねる。
初めて見る大衆演劇の舞台でひときわ輝いていた鉢本慈丹に魅入る。
そして、慈丹に会い、鉢本座の一員にならないかと誘われる。
大衆演劇のことは、全く知らないけれど、ひき込まれるように読んだ。
生まれながら、演劇の世界にいる慈丹と、伊吹の関係を知ったときは
驚いたけれど、二人が出会えてよかった!!
伊吹がずっと抱えてきたものを慈丹が軽くしてくれるでしょう。
しかし、亡くなった朱里と伊吹の両親には、腹が立った。
特に母親。
愛せない子どもをなぜ、産んだのか?
自分勝手としか思えない。
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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