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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年7月


 

江戸時代最大の贈収賄事件の行く末は? 歴史エンタメの最高峰。

大坂の炭問屋・木津屋の主の吉兵衛は、稼業は番頭らに任せ、自らは放蕩の限りを尽くしてきた。そこへ実の 大坂の炭問屋・木津屋の主の吉兵衛は、稼業は番頭らに任せ、自らは放蕩の限りを尽くしてきた。そこへ実の兄・久佐衛門の訃報が伝えられる。実家である薪問屋・辰巳屋へ赴き、兄の葬儀の手筈を整える吉兵衛だったが、辰巳屋の大番頭・与兵衛や甥の乙之助に手を引くように迫られると、事態は辰巳屋の相続争いに発展する。上方で起こった相続争いの噂はやがて江戸に届き、将軍・徳川吉宗や寺社奉行・大岡越前守忠相の耳に入る一大事に。将軍までも巻き込んだ江戸時代最大の疑獄事件の結末は――。

                    (角川書店/発行)



江戸時代の贈収賄事件というので、難しい話かと思いながら読んだけど
読みやすかった。

炭問屋を木津谷吉兵衛が、実家の辰巳屋主人で兄の久兵衛の死によって
辰巳屋の相続争いに巻き込まれていく。

吉兵衛目線で描かれているので、吉兵衛の側に立って考えてしまうけど
辰巳屋主を支えてきた大番頭の与兵衛の立場で考えると、吉兵衛の存在が煙たい
存在であるのは理解できる。

どちらが悪玉なんだ?

しかし、牢屋の環境って劣悪過ぎて、人を殺めたわけでもない吉兵衛が
こんなところに入れられて酷い仕打ちをされる様子が本当に辛かった。
辰巳屋の元使用人であった嘉助は吉兵衛を子どもの頃から知っていて
今でも「ぼんさん」と呼びかける律義者。
その嘉助が牢の中で息絶えたときは特に辛かった(:_;)



結果、なんとか死罪は免れ島流しの刑が下された。
それも重たい罪なんだけど、妻の瑠璃との再会は、ほっこりするものがあって
良かった。


知らなかった史実を少し学んだかんじ。
でも個人的には、まかてさんには、明るいお話を書いて欲しいな~。



                      ★★★
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発行年月:2018年2月


 「草どん、語ってくれろ」どこからともなく現れた子狐は、目の前にいた草に話しかけた。
物語をせがむ子狐に、草どんは重い口をひらく……。

子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う! 
「俺たち、本当に存在しているんですか?」
やがて物語は交錯し、雲上雲下がひずみ始める。物語が世界から消えてしまうのか?
不思議で懐かしい、ニッポンのファンタジー。

                    (徳間書店HPより)


聞いたことがある昔話たち。
語るのは草どん。

草どんに懐いて、お話をせがむ子狐が可愛い♪
「あい」 「あいあい」と合いの手を入れながら・・・・。


草どんの元に、来るのは、山姥に、産みの母親を探して旅する小太郎。

草どんは、それぞれの物語も知っている。

山姥、子狐、小太郎。
それぞれの物語も興味深く、本当の姿がわかってくると・・・・
おぉ~そういうことか・・・・と。

それから、最後は、草どん自身の物語。

雲の上と雲の下。その間を繋ぐのが物語。


小太郎と花はその後、幸せになったんだろうなぁ~。
子狐は、お嫁さんを貰って一族の頭領として立派に成長したんだろうなぁ~



色々な昔話をちゃんと知りたくなった。

素敵な物語だったなぁ~。


                    ★★★★★







発行年月:2017年6月


 本書は著者初の完全独立短編集です。江戸時代の江戸を舞台に、この時代をこよなく愛する著者が描き出す、喜怒哀楽にあふれた庶民の物語。
その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……。
生き生きとした暮らしの賑やかさ、大都会だった江戸の町の日常の騒ぎを、実力折り紙付き、今もっとも新作が待たれる時代小説家が、興趣豊かに綴ります。

                     (講談社HPより)





朝井さんの時代小説は今まで読んでいたので短編集も期待大でした!

そして、やはり面白い。
江戸の色々な庶民の暮らしが目に浮かぶようで楽しかった。
お話としては、切ないものもあったけど。



最初の話<ぞっこん>は、筆が語る、ある看板描きの男の話。
語りが人じゃなくて筆というのも面白かった。

表題作の<福袋>は愉快な話。
離縁された姉の話。
離縁の理由は、大喰いだからという姉。
そんな姉が賞金稼ぎの大喰い大会に出場し・・・・

賞金は入ったけれど、佐平の企みは失敗に終わるというオチ。
なんだか、お疲れ様な佐平が、少し気の毒かな~?


一番好きだったのは<晴れ湯>
松乃湯の一人娘・お晴(10歳)が大奮闘。
遊んでばかりの父親が最後は働くようになって、めでたしめでたし。


今の時代にはない、風情ある場面描写がいろいろ。
楽しかった♪


                        ★★★★★




発行年月:2017年1月

美しく奔放な母を養いながら、江戸で老人介護を生業として暮らすお咲。
逝く人に教わる多くの真実が深く身にしみる時代長編。

                (文藝春秋HPより)




母親が元夫宅に金を借りたことで、お咲は離縁し、そのお金を返すため働いている。

五郎蔵とお徳が営む鳩屋の奉公人として。
普通の女中業より稼げる介抱人として頼まれた家に出向き、家族に代わって
年寄りの介護を請け負う。
泊まりのこともあれば通いのことも。

介抱に訪れる先で、出会う、ご隠居さんたちと心を通わせていくお咲。
介抱される人たちに、敬意を払ったもの言いは好感が持てる。

家人に頼まれ向かった家で、元気ハツラツな、おぶんに出会い
あちらこちら振り回されて挙句、自分介抱する側になりたいと
お咲の長屋の菊職人・庄助の母親のもとへ押しかけ介抱に向かう。

おぶんさん、いいなぁ~。

お咲と母親・佐和の関係は最悪な感じだったけど、気づかなかった母親のことを
周りの人たちから教えて貰えて良かった。

こうして、誰かが誰かの心の支えになるっていいな~。


猫も目立たないけど、いい仕事してたってことだな(=^・^=)。

まかてさんの物語は、やはり、ほっこりさせてくれる。


                          ★★★★



発行年月:2016年9月


生類憐れみの令により、犬公方とも呼ばれた
五代将軍・徳川綱吉。
だが、一方で綱吉は、徳川幕府の礎となる文治政治を
推し進めた名君ともいわれている。
その知られざる劇的な生涯を描いた傑作長編小説。

               (集英社HPより)



徳川綱吉のイメージががらりと変わる好印象を与える人物像に描かれている。
世間での評判は、良くないままというのが何とも気の毒になる。

実際はどうなのかわからないけれど、
武でなく法という「文」で治め、泰平の世をを目指していたという姿勢は
その国を治めるリーダーとしてその時代、難しかっただろう。
武士たちのなかには綱吉の考えに沿えぬ者も多かっただろうし。


有名な生類憐みの令の意図するところが、この物語の通りなら納得。
こういう考えで出した法令ならば、賛成だけど、真意が世間に伝わらぬままと
いうのも気の毒。

そして起きる天災の数々。

子どもも二人とも早くに亡くなり、不運な運命。

でも妻の信子が聡明で綱吉の真意を理解して寄り添っている姿に救われる。


歴史上の人物の本当の姿は、こういう書物でイメージが変わるな~。
綱吉の好感度アップの書でした!



                        ★★★★
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