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読んだ本の感想あれこれ。
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51D9bT7ZnZL__SX230_.jpg   発行年月:2011年11月


   傷はいつかふさがり、ふたたび生まれ変わるだろう――



月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って肌をあわせる男と女。死の淵の風景から立ちあがる、生の確かなきらめき。つまづいても傷ついても、人生は何度でもやり直せる、きっと――。今注目の著者による傑作小説!

                                          (角川書店HPより)



期待を裏切らない作家さんのひとり。
新刊を心待ちにしてました!!

今回のお話は、今までのとは、ちょっと雰囲気違って・・・でもとても素敵なお話でした♪

短編連作のかたちで、登場人物に関係ある人が、それぞれ主人公になってお話が進む。
そして、最後は、みんなが集う場面で・・・
心が温まるお話になっていました♪


最初の話に登場の柿崎美和。
その後の話にも出てくる、瀧澤鈴音と八木浩一。
おなじ高校で共に医学部進学を目指していた親友。
八木だけ、学力、経済面など考えて放射線技師の道に進んだけれど、親交は続いていた。

鈴音が癌に侵され、自身が営む病院を美和に託したいと願い、美和はそれを受ける。
けれど、鈴音を助けてみせる!と心に決めて・・・・

鈴音と元夫・志田拓郎。
病院看護師の浦田寿美子と元患者の赤沢。
本屋の店長・佐藤亮太と元店員の詩緒。

それぞれの恋バナもなかなかよかったなぁ~。

八木だけ、ちょっと切なかったけど・・・・

物語の冒頭は、なんだか暗く重たかったので、、どんな話の展開になるのか??と不安だったけど良い意味で予想を覆す温かい物語でした♪


しかし、いろいろな話を書ける作家さんだな~。

ますますファンになった!!


                                          ★★★★★

 
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51hPkgHAjIL__SL500_AA300_.jpg
発行年月:2011年8月

愛は要らない、と言える狡(ずる)さも愛が欲しい、と叫べる強さもその女にはなかった。それでも――。

父親の酒と暴力に支配される愛のない家――。北海道の開拓村から奉公に出された百合江(ゆりえ)は、旅の一座に飛び込む。「歌」が人生を変えてくれると信じて。押し寄せる波に翻弄されながら一切の打算なく子を守り生き抜いた女の、他人の価値観を寄せつけない「見事」な生が、息もつかせぬ圧倒的な筆力で描かれる。新感覚のストーリーテラー北に現る。


                                          (新潮社HPより)


すごい物語だった!
一気に読ませる力にも脱帽!

物語は、最初は現代の話。
それから・・・そこで出てきた女性二人・理恵と小夜子のル-ツを知らされるような物語へと移る。

理恵と小夜子は、母親同士が姉妹。
それぞれの母親である百合江と里実の幼いころからの話が始まるのだけど、百合江の話が中心かな?
二人の両親は北海道の開拓村に住み、一家の暮らしはとても貧しい。
父親は酒癖が悪く、母親に暴力を振るうことは毎日。
幼い弟たちの面倒を見たり、家事を手伝ったりの百合江が不憫。
進学したいと思っていたのに、奉公に出されることになる。
そして今度は自分が家のなかでしていた苦労を里実が引き継ぐ。

やがて成長した姉妹は、それぞれ家とは疎遠な状態になり、自分たちの働き場所で懸命に働き、それぞれ伴侶を得る。
里実は奉公先の理髪店での働きを認められ親方の息子と結婚。
店の経営は順調で里実の采配が一家を支えるまでになる。

一方の百合江は偶然、目にした旅芸人の歌や踊りに惹かれ、その一員になる。
そして知り合った女形役者の宗太郎との間に女の子・綾子を産むが宗太郎は姿を消してしまう。

その後、知り合った役所勤めの高樹春一と結婚。
姑との同居が始まるが、この姑がとんでもない意地悪!
おまけに春一には多額の借金があった!
二人の間の子を出産時、長女の綾子を姑に預けたのだが、とんでもないことになり・・・・
春一は外で遊びまわり家には帰らない日が続く。
全部、百合江のせいだと言う姑。ホントに鬼のような人だ~。

とまあいろいろと苦労の連続の百合江。
妹の里実が居なかったら、もっと大変なことになるところだったけど、姉妹っていいな。
心強い味方としていつも里実がそばに居てくれて、読みながら、姉妹はずっと離れないで~なんて思った。

時々、大人になった理恵と小夜子の話に変わるのだけど、この二人は従姉妹という関係だけど実質姉妹と変わらないかんじ。

終盤、理恵と小夜子が百合江の二番目の夫だった高樹から話しておきたいことがあると連絡を貰い、老人ホ-ムに入所中の高樹を訪ね、聞いた衝撃の事実には驚いた!



苦労続きで幸せを掴んだと思えば、またその幸せを逃がして・・・・という百合江の人生だったけど、高樹の告白から知った事実には、百合江が知ったら、驚くかもしれないけどホッとするようなこともあって、少し最後は救われた。


兎に角、すごくよく出来たスト-リ-で最初から最後まで頁をめくる手が止まらないかんじだった!

やはり、この作家さんは凄い!
まだ作家デビュ-してからそんなに年数立ってないけど、これからの作品も大いに期待したい!!

これは、また暫くしたら、絶対、再読したいと思う!!


★★★★★
 
9fcd3256.jpg発行年月:2010年9月


爆発不可避----身構えても、吹き飛ばされる、“怪物的”傑作、誕生!

母の愛人だった男が、私の夫。愛なんて最初からなかった、はずなのに。夫の事故ですべてが狂い始めた----。善悪の彼岸へ近づく日常。私たちの“仮面”は崩壊し“怪物”が顔を出す。死ぬって、恰好悪いこと? 忘却不能の最後まで、あなたの心は震え続ける! 2010年必読のミステリー。読み逃せば、後悔する。間違いなく!


                                             (新潮社HPより)


前に読んだ「凍原」が面白かったので、この著者の新刊は楽しみにしていました。
自分で買えばいいのに・・・・図書館にリクエストをして借りました。

文章は読みやすく、面白いのですが・・・
謎が多く読み終えた後、なんだかスッキリしたかんじがせず・・・・^^;


先ず最初に、物語の主人公となる女性・幸田節子が自身でガソリンをかぶって亡くなったと推測される事件が出てくる。

その後、物語は節子の生前の話に遡って展開される。
節子の夫・喜一郎は元は節子の母・律子の恋人だった。
この関係だけでもタダならぬものを感じるけれど、節子の周りにいる人たち全てと言っていいほどの人たちがタダならない^^;


節子の恋人・澤木(税理士)は節子が亡くなる直前まで行動を共にしていた人物。
不倫関係は長く、節子の夫が経営するラブホテルの今後の経営方針などの相談にも乗っていた。
澤木と付き合いながら、母親の恋人の喜一郎と結婚を決めた理由はなんだったんだろう?
それが最後までわからなかった。
そして、喜一郎が事故で意識不明の状態が続いた後、亡くなるけれど、喜一郎の死に対しても淡々と受け止めていたように思えた。
それがなぜ、自身も死を選ぶことに繋がったのか??

う~ん。わからない。

読解力のなさかなぁ?

節子のやる事、考えることが不思議でした。

歌詠みの会で知り合った佐野倫子とその娘・まゆみを暴力夫から守り、その後、犯した罪にも驚いた!
怖い女!



真相はよくわかないけれど、まあまあ楽しみながら読めた本。

でも「凍原」の方がわたしは好きだったなぁ~。

読ませる文章力は十分にある作家さんなので、次回作も期待はしてます!
過去作品をその前に読んでみようなか?


★★★
9150f9b6.jpg発行年月:2009年10月

1992年7月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。両親、警察関係者、地元住民の捜索も実らず少年は帰ってこなかった。最後に姿を目撃した同級生の杉村純少年によると、貢少年は湿原のほうへ向かっていったという。
それから17年、貢の姉・松崎比呂は刑事となって札幌から釧路の街に帰ってきた。その直後、釧路湿原で他殺死体が発見される。被害者は、会社員・鈴木洋介34歳。彼は自身の青い目を隠すため、常にカラーコンタクトをしていた。比呂は先輩刑事である片桐周平と鈴木洋介のルーツを辿るように捜査を進めてゆく。
北の大地に生きる人々の戦後から現代に至る64年の業を描ききった畢生の大作。

                                       
(小学館HPより)


初めて読む作家さんでしたが、お気に入りの作家さんになりそうな予感!

物語の冒頭は1992年、小学4年生の男児が失踪する事件。
そして、次は1945年8月12日の日本終戦目前の樺太での壮絶な出来事へと飛ぶ。
さらに時代は飛んで2009年の北海道へと移る。

時代が前後しながら物語りは進むのですが、読みにくさは全くなかった!
どちらの話もそれぞれに惹き付ける要素があったから。

長部キクの生き抜いた歴史は、凄い!
この人の話だけでもひとつの物語になりそう。

被害者となった洋介の生い立ちは、なんとも気の毒。
本人に何ら非はないのに、あまりにも辛い。

洋介殺害の真相は・・・・・納得出来るような・・・出来ないような・・・。
どこまでも浮かばれない洋介が不憫・・・(/_;)

犯人も意外でしたが・・・そういう繋がりがあっての事でしたか!?


重苦しく、暗い話なんですが、文章は上手い!と思いました。
無理なく繋がる登場人物たち。

過去作品も是非、読んでみよう!
そして、これから出る新刊も欠かさず、読もう!


★★★★


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