発行年月:2013年2月
楽器の腕前はピカイチだがドジな主人公と、
個性派ぞろいの仲間たち。
彼女らが奏でる音は、謎も不協和音も調和します!
音大卒業後、航空自衛隊の音楽隊に入隊した鳴瀬佳音(なるせかのん)は、
定期演奏会などの任務に向けて練習に励んでいる。
自衛隊という未知の世界に戸惑いつつも鍛えられていく。
ある日、「ふれあいコンサート」で使う楽譜を用意したところ、
佳音が担当するアルトサックスのパートの楽譜が
楽譜庫から紛失していた。いったい、どこに消えたのか?
ちょっとドジな佳音が呼び込む不思議な“事件”を、
仲間たちとともに解決する!
テロや大停電などをテーマにしたクライシス・ノベルで
注目を集める著者が、軽やかな音楽ミステリに挑む意欲作!!
(光文社HPより)
自衛官の物語は、有川浩さんのを読んでいますが、これは、また少し系統が違う自衛官物語。
福田さんなので、ミステリ-絡み?と期待しましたが、
ミステリ-色は薄め。
ちょっとした謎解きはありましたが・・・。
舞台は、航空自衛隊の音楽隊。
自衛隊に音楽隊があるのは、地元でも毎年、コンサ-トがあるので知っていましたが、
音大を出たりとかなり優秀な人たちが所属してるんでしょうね~。
演奏会を企画したり、演奏依頼に応えたりが主な仕事ですが、普通の訓練もちゃんとやってるんですね~。
ま、自衛官なんだから当たり前といえば、そうなんだけれど・・・。
過酷な任務だな~。
物語は連作形式で進む。
主人公は、国立の音大出身の成瀬佳音29歳。サックス担当。
そして、遅れて入隊した渡会俊彦。高校の同級生で、佳音に密かな想いを寄せている。
けれど、佳音はまだその気持ちに気づかず。
2人のテンポ良い会話は楽しい♪
あとは、私服だと優雅な夫人(テニスアニメのおちょう夫人を連想するから)の容姿の安西庸子。
イケメンで音楽隊のリ-ダ-的存在の諸鹿三慰。
新人の澄川理沙。
それぞれの人物のおおよその人柄などがわかったけれど、その後の音楽隊のお話も読みたいな~と
思わせる物語。
続編、期待します!!
しかし、前には警察物を描いた小説を書いていたし、いろいろ下調べ(取材)
が必要な分野を書かれる方だな。
女性なのに・・・・なんだかパワフル。
次の作品も楽しみに待ちたいです!!
★★★★
職業メンテナンスマン。仕事場は、宇宙(そら)!
2031年、原田拓海は宇宙へ上がる。
天に向かい、まっすぐ伸びていく<宇宙エレベーター>で。
誰もが宇宙へ行ける時代の到来。夢のその先には、誰も味わったことのない未知なる“お仕事”が待っていた!
新時代の“お仕事”エンターテインメント!
子供の頃から宇宙へ行くことを夢見ていた原田拓海。高校生の時、身長が規定オーバーの192cmを超え、宇宙飛行士の夢は潰えた。だが、2031年、かねてから開発中だった地上と衛星軌道のステーションを結ぶ<宇宙エレベーター>が完成する。誰でも宇宙へ行ける時代の到来。拓海の夢は途絶えてはいなかった。天に向かい、まっすぐ伸びていくケーブルで、拓海はついに宇宙へ上がる。
(講談社HPより)
スケ-ルの大きな話でした!!
物語の舞台は宇宙。
宇宙エレベ-タ-を保有する唯一の会社に勤務する主人公・原田拓海(32歳)。
宇宙飛行士になるのが夢だったが・・・慎重195cmは規格外。
JAXAも NASAも宇宙飛行士の採用資格は身長に関して158cm~190cmと決めているらしい。
宇宙で仕事をすることを諦めきれない拓海は、
宇宙エレベ-タ-を支えるメンテナンスマンの道を選んだ。
幼馴染の篠原真人も同じ仕事場。
常に冷静な判断でリ-ダ-的存在。
ほかのメンバ-も魅力的。
次々起きる問題に対応するメンバ-たち。
宇宙ステーションが太陽の熱で温度が上がらないように守るラジエ-タ-の故障から始まり、宇宙葬として打ち上げられた棺桶が軌道を外れたのを直すために捕まえて軌道修正。
これだけでもすごいのに、その後は殺人事件。
爆発予告のテロ事件と続きく。
緊迫した状況のなかで、メンテナンスマンたちが懸命に問題解決のための意見交換をし働く仕事ぶりが格好いい!!
問題は、解決するのだけど、テロ行為がどうして起きたのか?
はっきりしない部分もあって、やや消化不良気味かな~?
でも、なかなか面白かった!!
メンバ-たちの人間関係もなかなか良いし、拓海とメグの関係も進展する可能性があったのに
このままお終い??とちょっと肩透かし。
これは続編を書いて欲しいなぁ~。
しかし、工学部卒でエンジニア経験もある著者だからか、専門知識がすごい!
参考文献も多いからいろいろ下調べもされての執筆活動なんでしょうけど、
今後の作品も期待してます!!
★★★★
「明日夜二十四時、我々はミサイルを日本の主要都市に撃ち込む」。
官邸に送られたメッセージ。猶予は三十時間。緊迫が高まる中、航空自衛隊岐阜基地から、ミサイル搭載戦闘機F-2が盗まれた。犯行予告動画に、自衛官・安濃は戦慄した。俺はこの男を知っている!
(角川書店HPより)
ちょっと前に、北のミサイル発射問題があったので、リアルなかんじで読みました。
ミサイルは、本当に日本国内に撃ち込まれるのか?
日本の自衛隊は、そのミサイルを迎撃することは出来るのか?
物語のなかで、テロ行為を行うのは、「北」の人間なのですが・・・・
その行為に加わっている日本人がいるというのが先ず、驚きでした。
そして、それに加わっている加賀山一郎は、元自衛官で、2年前ある論文を雑誌に寄稿したことが元で退職に追い込まれている。
その論文の内容とは?
そして、一郎には、航空自衛隊の優秀なパイロットの息子・司郎が居たのだが、自殺している。
退職に追い込まれたことと息子の自殺の関連性とは?
読みながら、気になることが、いろいろ出て来たのですが、その辺のことは、割とサラッと流されていたかんじで、やや拍子抜けだったなぁ~。
司郎の婚約者で同じくパイロットの菊谷和美との関係ももう少し詳しく知りたかった。
それだからか?加賀山一郎と和美がテロ主導者に、協力することになった動機が、イマイチしっくり来なかった。
しかし、ミサイルを迎撃できたのはよかったぁ~。
結構、あっさり成功しちゃったけど・・・^^;
でも、文章を読ませる力はある著者なので、最初から最後まで、飽きずにスラスラは読めました♪
発行年月:2011年4月
六本木の超高層ビルがジャックされた!犯人は今、何を望む-------?
「我々は、ウインドシア六本木をビルジャックした!」
ビル会社社長を人質にとり、最上階に立てもこる犯人。地上で手をこまねく警察を前に、17階のオフィスにいた船津康介はある奇策を思いつくが・・・・。最先端技術を極めた都市の要塞と、どんな時代にも変わらぬ人々の「思い」が交錯する、どんでん返し満載の城攻めサスペンス。
(新潮社HPより)
冒頭のプロロ-グが後の物語にどう関係してくるのか?予測しながら読んだので、ビルジャックの犯人とビル会社社長は、きっとプロロ-グで登場の人物たちだろうと想いました。
そして、その通りだった(笑)。
なぜ、ビルジャックに及んだのか?
そのあたりの犯人側の気持ちもあるのだけど、イマイチ共感出来なかったなぁ~^^;
緊迫した状況でありながら、ビルの管理会社の企画事業部社員・船津を中心にした社員たちや、犯人側のメンバ-の様子は、なんだか緩いかんじで、会話も結構、面白い。
事態は警察も介入するほどのものなのに・・・
最後のどんでん返しと言われる部分は、ちょっと「おっ!」と思ったけれど
全体的にはちょっと拍子抜けなかんじで、消化不良気味の読後感。
しかし、高層ビル内の知らなかった構造やら管理方法なんかがわかったのは面白かったな。
好きな作家さんだけど、物語としてはこちょっとハズレだったかも?
サスペンスとは言い難いし。。。。
人情物語の要素の方が大きいようなかんじでした。
好きな作家さんだから、期待しすぎたのが良くなかったか?^^;
★★
未曾有の大停電が東京を襲う。
8月24日午後4時、東都電力熊谷支社の鉄塔保守要員一名殺害。午後7時、信濃幹線の鉄塔爆破。午後9時、東北連系線の鉄塔にヘリが衝突、倒壊。さらに鹿島火力発電所・新佐原間の鉄塔倒壊――しかしこれは、真夏の東京が遭遇した悪夢の、まだ序章に過ぎなかった。最後の希望が砕かれたとき、未曾有の大停電が首都を襲う!
目的達成のため暗躍する犯人たち、そして深刻なトラブルに必死に立ち向かう市井の人々の姿を鮮やかに描破した渾身の雄編。大型新人が満を持して放つ超弩級のクライシス・ノヴェル!
(東京創元社HPより)
2008年に、こんな作品書いていたんですね~。
今読むと、イヤでも、今年の東日本大震災のことを思い浮かべてしまう。
ここでは東京が大停電に陥るという話。
それは自然災害でなく、ある者が故意に起こしたこと。
どうして、そんな事を?というのは、段々にわかってくるけど、犯人は一人じゃない。
それぞれの犯人たちが背負っている過去が哀しい。
犠牲者を出してまでも、自分たちの信念を貫こうとしたことは、正しいことじゃないんだけど、気持ち的には、理解出来る。
真夏の大都会での停電。
いろいろな場面で、停電に巻き込まれ右往左往する人々の様子がリアル。
警察内部、犯人がわのほかに、普通に生活していた人たちの場面。
事件を追う刑事・周防は、娘のあゆみが事故でICUで治療中という状況だった。
こちらの経過も気になっていたけど、エピロ-グを読んでホッとした。
★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;