発行年月:2013年9月
もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために--。
名手・吉田篤弘が贈る、おかしくく哀しく奇妙で美しい、
色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。
(文藝春秋HPより)
8つの短編集+あとがきのようなお話。
<ガリヴァーの帽子>
測量士のFの話。
祖父~父と受け継ぐ額の真ん中の1本の角。
角に導かれるように向かった小さな島国。
<イヤリング>
丸の内の古びたビルにある十文字(という名前)の相談所。
無くしたイヤリングを探してほしいという女性。
十文字の思いつきで、女性のイヤリングを見つけたことにする梶。
<ものすごく手のふるえるギャルソンの話>
手がふるえることを悩むギャルソンに「あまり深く考えるな」と忠告するお客。
<かくかく、しかじか>
奇妙なシャンパンの会話
<ゴセンシ>
40歳のわたしは、コピーライター。
今度、ミートソースについて書こうと思いつく。
そして高校生の頃の友人・ゴセンシとの思い出が蘇る。
<御両人、鰻川下り>
女房と言う名の男と、知り合い、川下りをしながら鰻を食べる。
そこで出会った首肯。彼の体験である首だけになる話を聞く。
<名前のないトースターの話のつづき>
別れた彼女が置いていった外国製の洒落たトースターについての話。
<孔雀パイ>
料理長の十二(名前)と小説家の私。
お互いの才能を認め合った仲。
ロイス・レーン相談所の話のつづき----あとがきにかえて
相変わらず不思議な話ばかり。
童話のようなSFのような・・・なんとも類なき独特の雰囲気の物語たち。
よく分からないものが多いのに、何故か、好きなんだなぁ~。
よくわからなくても心地良いからよし。
「イヤリング」「ゴセンシ」「名前のないトースターの話のつづき」は
そんな中で、比較的、物語として分かりやすく面白かった。
しかし、変わった名前が多く登場したっけ。
単なる呼び名のものもあるんだけれど。
装幀もイラストもいいなぁ~。
1冊丸まるが吉田篤弘・浩美夫妻の作品なんですね~。
★★★
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発行年月:2013年2月
高架下の商店街を舞台にくりひろげられる、少し風変わりで、とびきり愛おしい人間ドラマ。映画化された人気作「つむじ風食堂の夜」の新バージョンともいえる著者会心の長編小説!
(毎日新聞社HPより)
久しぶりの吉田さんの長編。
楽しく読みました。
鉄道の高架下にある、高架下、晴天通り。
1番から60番まであって、8番が主人公・美子の営む小道具店。
お店の主は、むつ子さん。
しかし、ある日、突然「これからは寝てくらすから・・・」とお店の一切を
美子に任せ、本当に寝て暮らす生活に入ってしまった。
美子の大学からの友人・サキは26番で輸入雑貨のお店をやっていて、
38番の太郎食堂へ通うのが日課だったが、大将の太郎さん(65歳)は
入院。後を双子に見えるけれど年子の兄弟に任せている。
太郎食堂の太郎さんの料理が好きだった美子は
21番の喫茶店・ベ-コンのママが作るまかない飯・荒野のベ-コン醤油ライスを
度々、ご馳走になる。
そして、59番の食堂・やおきに食事を食べに行き、そこで最初は、声に
そして横顔に一目ぼれする。
なんとも楽しい商店街の人たちとの交流。
これもドラマ化とかしたら面白そうだな~。
頭のなかで勝手に映像化して楽しみました^m^
★★★★
発行年月:2008年11月
□いまは独り身である。
□友だちはあまりいない。
□引き出しから、思いがけないガラクタが出てきたことがある。
□自転車に乗れる。
□自由奔放な弟/妹になれたら、とときどき思う。
□道に迷いがちである。
□小さなものが好きである。
2人の主人公の物語が交互に登場。
一人は、小さな男・・・・名前は???出てきたっけ?
もう一人は静かな声の深夜ラジオのパ-ソナリティ・静香。
小さな男も静香も独り暮らし。
友達は、2人ともそんなに居ない。
行動範囲がごく限られた場所。
共通点が結構、あるなぁ~と思いながら読んでいた。
そして、後半になると・・・2人に共通する友達・ミヤトウさんの存在が、バラバラだった2人の
生活が、なんだかちょっとずつ良い感じで近づいていく。
2人の語ることばに、納得したり、驚かされたり、感心したり・・・・。
小さな男の疑問・・・・カレンダ-はどうして日曜からなのか?
全くもって同感の疑問だったので、なんだかすごく嬉しかった。
以前、その説明も聞いた記憶があるんだけど・・・。
静香の「消息」の意味って?には、なるほど!
わかっているようで、正確な意味を理解していないことばって結構、あるなぁ~。
ちなみに「消息」の意味は「生死」。
消える=死んでしまうこと
息=生きていること
なので、「消息を絶つ」とは、生きているのか、死んでしまっているのかわからなくなってしまったということ。
ほかにもなるほど、なるほどということがいっぱい出てきて・・・
静香のように、自分が一番そぐわない色の手帳に書き留めておきたい!!と思ってしまった(笑)。
静香は一番、そぐわない派手な真っ赤な手帳を鞄に忍ばせてメモしていたけれど、
わたしなら何色だろか?
ドギツイピンクとかかなぁ~?
ラストは、この先、静かな男と静香がミヤトウさんを介してご対面なんて場面を勝手に
想像させていただき、楽しい気分になりました♪
□いまは独り身である。
□友だちはあまりいない。
□引き出しから、思いがけないガラクタが出てきたことがある。
□自転車に乗れる。
□自由奔放な弟/妹になれたら、とときどき思う。
□道に迷いがちである。
□小さなものが好きである。
2つ以上あてはまるものがあれば、どうぞページをおめくりください。
煌めくことばの宝箱。
(マガジンハウスHPより)
煌めくことばの宝箱。
(マガジンハウスHPより)
2人の主人公の物語が交互に登場。
一人は、小さな男・・・・名前は???出てきたっけ?
もう一人は静かな声の深夜ラジオのパ-ソナリティ・静香。
小さな男も静香も独り暮らし。
友達は、2人ともそんなに居ない。
行動範囲がごく限られた場所。
共通点が結構、あるなぁ~と思いながら読んでいた。
そして、後半になると・・・2人に共通する友達・ミヤトウさんの存在が、バラバラだった2人の
生活が、なんだかちょっとずつ良い感じで近づいていく。
2人の語ることばに、納得したり、驚かされたり、感心したり・・・・。
小さな男の疑問・・・・カレンダ-はどうして日曜からなのか?
全くもって同感の疑問だったので、なんだかすごく嬉しかった。
以前、その説明も聞いた記憶があるんだけど・・・。
静香の「消息」の意味って?には、なるほど!
わかっているようで、正確な意味を理解していないことばって結構、あるなぁ~。
ちなみに「消息」の意味は「生死」。
消える=死んでしまうこと
息=生きていること
なので、「消息を絶つ」とは、生きているのか、死んでしまっているのかわからなくなってしまったということ。
ほかにもなるほど、なるほどということがいっぱい出てきて・・・
静香のように、自分が一番そぐわない色の手帳に書き留めておきたい!!と思ってしまった(笑)。
静香は一番、そぐわない派手な真っ赤な手帳を鞄に忍ばせてメモしていたけれど、
わたしなら何色だろか?
ドギツイピンクとかかなぁ~?
ラストは、この先、静かな男と静香がミヤトウさんを介してご対面なんて場面を勝手に
想像させていただき、楽しい気分になりました♪
★★★★★
発行年月:2013年4月
この世界は「なおし屋」=男性と「こわし屋」=女性が共存している。世界は創造と破壊を繰り返す。我々は馬鹿げた争いの果てに我々を囲むすべてを失った。何度も「歴史」の中で繰り返してきた。つくるために失う。次のアレやコレやをつくるため、あえて争って破壊し尽くす。もしかして、わざとそうしてるのか――ときどきそう思う。そんな不思議な街の不思議な物語。
(徳間書店HPより)
イッタイの部とゼンタイの部に分かれている。
イッタイの方では、いろいろな物を直すことを仕事にしている男達が次々に登場。
なので、そういう男達を描いた短編集かと途中までは思いました。
時計のなおし屋、水廻りのなおし屋、おもちゃの猿のなおし屋、バイオリンのなおし屋、洋服のなおし屋、
車のなおし屋、テレビのなおし屋、写真機のなおし屋、家具のなおし屋、靴のなおし屋
壊れているものがあると放っておかれない男達。
けれど、そんな男達を直そうとしている女達。
『イッタイ』では男性しか出てこなかったのに、『ゼンタイ』の部では女性が何人か登場。
そして、男達は、なおされていく?
なおされると言っても、女達は男達を幸せにしているような・・・・。
ちょっと理解し難い物語ではありましたが、言葉遣いが面白く、登場人物たちの名前もユニ-ク。
『イッタイ』の部のように、短編でいろいろな物を直す男達の物語だけの方が個人的には好み。
でも、変わった構成の物語でした(^^)
★★★
発行年月:2005年12月
夢かうつつか。物語の痕跡を探して、物語の中の十字路を訪ねて歩く――作家が「水」をめぐる物語を模索する「雨を聴いた家」、「影の絵」を描くオビタダが主人公の「水晶万年筆」など、6つの短編を、文章とモノクロ写真で構成。人気制作ユニット、クラフト・エヴィング商會の物語作家と写真家による新しいコラボレーション。「小説トリッパー」連載の単行本化。
吉田篤弘さんの物語と、坂本真典さんのモノクロ写真のコラボ。
物語は6つ。
どの話にも出てくるのは十字路。
不思議で何処か懐かしいかんじのする物語と写真。
「雨を聴いた家」
水に纏わる話を書こうとしている小説家。
町のあちこちにある十字路。
そこで出会う沢山の<S>。
ある女性が言う「この町の底には透明な水たまりがある」と。
「水晶萬年筆」
珍しいことが好きで嫌いな絵描きのオビタダ。
夥しいの「夥」と書く。
おでん屋<つみれ>の女将さん(つみれさん)の父親も絵描きだったという。
そして、2人でその父親が銭湯にあるというので、見にいく。
「ティファニ-まで」
レストラン・ティファニ-まで研究室の助手のサクラバヤシ君と向かう。
今までにないことば・新語研究者のわたし。
サクラバヤシ君と議論を交わしながら進むが、ティファニ-には辿り着けず・・・・。
「黒砂糖」
師匠のあとを継いだわたし。
師匠は世界でたったひとりのファンファ-レ専門の作曲家だった。
そして、夜を愛していた。
先生のとっておきの一曲は『夜のためのファンファ-レ』。
その一曲を吹いたあと夜の路地裏に姿を消すことが度々あった。
わたしもその曲を吹く、すると・・・・・
「アシャとピストル」
買えないものがあるなら、それを売ろう。
アシャは世にも不思議な怪しげな商売を思いつく。
酒場で知り合ったオ-シンイ=往診医。
「ルパンの片眼鏡」
師匠とは路地で出会った。
師匠はルパンと名乗った。
師匠に誘われ家に行くと、カヲルさんという女の人がいた。
師匠は、片目を無くして探していたところで、わたしに出会ったそうで
カヲルさんに「俺の片目」と紹介した。
なんとも不思議なよくわからない物語ばかりですが、その独特な世界観がすごく好き!
そして、物語のあとにあるモノクロの町の風景写真がまた、想像力を刺激してくれた。
写真の風景は、寂しいような悲しいような不思議なもの。
カラ-じゃないのがいいんだろうなぁ~。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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