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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年12月


大晦日の夜、ホテルに集まった八十歳過ぎの三人の男女。彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、そして一緒に猟銃で命を絶った。三人にいったい何があったのか――。妻でも、子どもでも、親友でも、理解できないことはある。唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常。人生におけるいくつもの喪失、いくつもの終焉を描く物語。

                   (新潮社HPより)


篠田莞爾(86歳)、重森勉(80歳)、宮下知佐子(82歳)
3人は、1950年代の終わりころ、美術系の出版社で一緒に働いていた。
その後、職場が変ったりしながらも3人の親交は続き、ある大晦日の夜、
ホテルで食事をしてお酒を飲みながら、昔話に花を咲かせて・・・
「そろそろ眠くなったね」と同じ部屋に向かい、命を絶つ。


物語には、悲壮感みたいなものが殆どない。
これがもっと若い3人なら違っただろうけど、3人はそれぞれに十分、人生を
楽しんだのだと思う。
猟銃自殺は、ちょっと派手過ぎるけど(3人には似合ってるのかも)
潔くてちょっと羨ましいとさえ思ってしまった。


残された親族や知り合いは驚き、どうして?と思うのだけど、篠田と宮下は
色々な身辺整理を済ませてあり、身寄りがいない重森も後を任せられる人に
遺書を遺している。


親族や知り合いたちそれぞれが代わり代わりに語りながら物語が進む。

知佐子の孫・作家の塔子
莞爾の孫・葉月(コペンハーゲンでアンデルセンの研究をしている)

この二人が印象的だったかな?


時間を置いて、また再読したい本。


                      ★★★★
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発行年月:2015年11月(2003年発行の新装改装版)


カーヴァーの「ぼくの船」から谷川俊太郎の「手紙」まで。江國香織が選び、解説を付した、ささやかで力強い59編の名詩。疲弊していく恋の詩もあれば、情熱的な愛の詩もある。そんな詩のアンサンブルをお楽しみください。
たぶんかなり無秩序で、むろんひどく偏った、でもどう見ても力強いアンソロジーです。力強すぎるかもしれません。――江國香織

                (いそっぷ社HPより)




江國さんが集めた詩たち。
どれも素敵。

名前しか知らなかった人も多いし、知らなかった人の作品も。

堀口大学の名前は聞いたことあるけれど、作品をいくつか読むと
どんな人物だったんだろう?こういう感性はどんな生活をしていて生まれたんだろ?
と人物に興味を覚えた。
ウィキペディアで調べたら、やはりなかなか面白い人生の様子。


クマのぷーさんの作者 A・Aミルンの<窓辺ではっている>
は以前何処かで読んで、「ああ~いい詩だなぁ~」と思ったので
載っていて嬉しかった。

窓ガラスにある雨粒に名前を付て流れ落ちる様子を見ながらの詩。
情景が浮かぶし、同じようなこと子どもの頃、やっていたので
なんだか凄く懐かしい気持ちにもさせてくれる詩。

巻末の解説で、一人息子のクリストファー・ロビンや自分の幼年期時代を
題材にした詩集「わたしたちは今六つ」是非、読んでみたい。

忘れずメモしておかなきゃ!

表紙の絵は、酒井駒子さん。
表題とともに凄くいい!

酒井さんの本も読みたくなった!


素敵な1冊でした♪
         

                       ★★★★★



発行年月:2020年2月


この本を読んでいる時、あなたはひとりじゃない。

自由自在に時空をまたいで進む物語は、100人以上の登場人物の日常が織り込まれたタペストリーのよう。覗いているうちに、読者もまた、著者の作り出す世界の住人になってしまう。そして、思いもよらぬ地平へと連れてゆかれる。江國香織小説のエッセンスが最大限に味わえるファン待望の一冊です。

                    (KADOKAWA HPより)



最初読みながら、「あれ?すごく短い短編を集めたものかなぁ~?」と。

段々、著者の趣旨がわかってくる。
これは、短篇のようで、ず~っと続く長編小説なんだと。

ああ、もっとこの人のその後を知りたい!って思ったり、あれ?似たような人
出てきたような・・・とか思いながら楽しんで読んだ。


でも読み終えると、あまり覚えていない。

いろいろな人の日常を少し覗いただけだから・・・
忘れてしまっても当然かも。


自分もまた、ここで読んだ人たちのように、今、生きている。

コロナとか異常な暑さの夏で、大変だけど、ひとりじゃないから
愚痴、言いながらもなんとか、やり過ごせそう。


                      ★★★



発行年月:2019年5月


 「これは家出ではないので心配しないでね」
14歳と17歳。ニューヨークの郊外に住むいとこ同士の礼那と逸佳は、ある秋の日、二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。日本の高校を自主退学した逸佳は“ノー(いやだ)”ばかりの人生で、“見る”ことだけが唯一“イエス”だったから。
ボストン、メインビーチズ、マンチェスター、クリーヴランド……長距離バスやアムトラックを乗り継ぎ、二人の旅は続いてゆく――。
美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説。

                    (集英社HPより)




アメリカで暮らす従姉妹同士14歳の礼那と17歳の逸佳。

置手紙を残して、旅に出た二人は、ルンルン気分でしょうけれど
親の立場からしたら、心配で仕方ない。

2人の冒険と残された親たちの心境を交互に語るかたちで進む。

礼那も逸佳もしっかりはしているなぁ~と思った。
危険を察知したら逃げることが出来ていたから・・・

やはりヒッチハイクは危ないよ!!
最初から、嫌なかんじしたもんね~。
でも、変に相手を刺激しないで静観出来たのは良かった。
最大のピンチだったかもしれないから・・・。


ああ、親目線で読んでいたから、疲れた。
ハラハラしちゃう。

2人の側で読めたら、楽しい冒険譚だったんでしょうけどね。


でも色々な場所で出会った大人たちの殆どが良い人たちで良かった。
彼女たちが賢いからでしょうけど。

特に編み物をしていた男性・クリスが良かった。
さよならが近づいてきたときの言葉が、クリスの優しさを滲ませていた。


若い子が読んだ方が、この物語は楽しいでしょうね^^;




                         ★★★



発行年月:2018年3月


 「本を読むというのはそこにでかけて行くこと」──小説家は、どのように小説を読んでいるのか、また、著者にとって「書く」とは、どのような経験なのか? すべて初収録、過去15年以上にわたって書かれた掌編小説とエッセイから、江國香織の「秘密」がひもとかれる贅沢な一冊。

                    (朝日新聞出版HPより)





エッセイも掌編小説もどちらも楽しめるお得な本!

江國さんの文章は、心地いいから好き♪

書くことは、一人だけでする冒険・・・・なるほど・・・。

本というのは、そこにでかけて行くということ・・・出かけていれば
現実は留守・・・誰かが現実を留守にしてもやってきて・・・・・
外側に出たくなるような本を自分でも書きたいもの・・・。

江國さん、もうそんな謙遜を~。
既に現実を留守にして、わたしは江國さんの物語を読んでいますよ~^m^


掌編小説のなかでは<奇妙な場所>が特に気に入った。
母69歳、長女52歳、次女50歳の会話。
3人居ても皆、同年代に見える親子のたわいない会話が、なんということ
ない内容なのに、いいんだよね~。
自分にも娘が2人(2歳違いの)から、ちょっと自分と娘たちという風に
想像したりして読んだ。


あと、エッセイでわたしもそれ思ってた!というのがあった!
<豆のすじ>そうそう、絹さややインゲンのすじ、子どもの頃は
もっと存在がしっかりしていて、お手伝いですじを取るのは
楽しかった。
でも最近は、すじ、上手く取れない。
絹さやはそれでも片方だけ綺麗に取れるけど、いんげんは、その存在が
わからない。
そして、食べても口にさわらない。
やはり品種改良されたんじゃないかなぁ~?

最後に読むべき小説として挙げていた
≪満ちて生≫は、是非、近いうちに読んでみたい!

図書館の返却日が迫っているので、再読出来ないのが残念(:_;)



                          ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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