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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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baeefa0c.jpg発行年月:2007年8月


宿した命を喪った夫婦。
闇にとらわれた少年。
愛猫の最期を見守る老人。

濃密な文体で、人間の心の壁に分け入ってゆく傑作長編

                     
(本の帯文より)


物語は、第一部、第二部、第三部に分かれていて、一部と二部はちょっと登場する主な人物が違うので「あれ?」と思いますが、三部で再び、一部に登場の人が主になり、ああ、これはずっと時間的にもつながっている物語なんだと気づきました。(気づくの遅い?^^;)

でも、ず~っと出て来くるのが1匹の猫・モン。

第一部では、家のそばでうるさく鳴く仔猫の声を、我慢できず、拾いにいき、でもやはり捨てる夫婦。
夫婦は、40歳の妻と52歳の夫で、あきらめていた子どもを授かったが、6ヶ月で亡くしてしまっていた。
仔猫といなくなったわが子を混同して考えたりもするが、所詮、猫なんだから・・・と捨てる。しかし戻ってくてしまう。そしてまた捨てる・・・・・
この拾う、捨てるの描写がリアルで、ちょっと気持ち悪かった。

第二部で出て来る中学生の少年は、父親と二人暮らし。
毎日の暮らしぶりや、少年の行動などを読んでいると、なんだかすご~く暗くて、重くて、切ないかんじ。
ある時、父親が仔猫を連れて来て、最初は殺そうかと思うのだけど、ある考えが浮かんで一応、世話をする。その間にちょっと心に明るいものが育つかんじだったのは、良かったけど・・・・
これも、最後はちょっと映像を思い浮かべると気持ち悪かったなぁ~。

そして三部では一部の夫婦が再び登場。
猫はどうやらこの家で飼われて「モン」という名前で可愛がられていたんだとホッとした。
二部でちょこっと登場していた猫も「モン」だったんだ!(またまた気づくの遅い?^^;)

どうやら、かなりの年月が一部から経ち、仔猫も老いて、人間も老いて・・・・・・

猫の最期を優しく看取る男の姿が切ないけど、胸にじ~んと来ました(/_;)

死ぬこと=自然なこと
何も恐れなくてもいいんだと猫が教えてくれているかのよう。


全体的に暗くて、重い物語なのに、ちょっと温かい気持ちになれるお話でした。

この方のお名前前から思ったけど、どんな由来でつけたのかしら?
「まほかる」って?

著者経歴を見て、ちょっとビックリ。
1948年生まれ。主婦、僧侶、会社経営などを経て2004年『九月が永遠に続けば』で第5回ホラ-サスペンス大賞を受賞

だそうです。
僧侶の経験があるんですね~。前に読んだ「アミダサマ」の描写を思い出すと、ちょっと納得。

怖いもの見たさで『九月が・・・・・』も読んでみようかな?

この方の文章に不思議な魅力を感じちゃいます。

★★★★

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a726fc02.jpg発行年月:2009年7月


その名はミハル。破棄された冷蔵庫から発見された。愛くるしい彼女がその寺に来た日から、集落は変わってゆく。そして猫の死、母の死。冥界に旅立ってゆく者を引き止めようと、ミハルは阿弥陀様に全身全霊でぶつかっていった。その夜、愛し愛された者たちが彼女に導かれて激しく交錯する。冷蔵庫から生まれたミハル、一体おまえは・・・・・!?

                          (新潮社HPより)


悠人は、不思議な耳鳴りのようなものに導かれるように、廃車置き場に辿り着き、そこで近所の寺の住職だという浄鑑と出会う。
二人で、どうやらこの中に何者かが居るらしいと、廃棄された冷蔵庫の扉を開けたところ、5歳の少女・ミハルが現れる。
浄鑑は、悠人にミハルの声に二度と惑わされる事があってはならない。遠くに離れているようにと忠告し、ミハルは浄鑑の寺で生活することになる。

物語は、その後、自分の日常に戻った悠人と寺に連れ帰ったミハルを自身の母親・千賀子と育てる日々を綴ったパ-トが交互に描かれる。

悠人は、ミハルに再び呼ばれる事をどこかで待っていながら、平穏に暮らす。が、ずっと昔、ある事件から絶縁状態であった祖父と偶然、会い、そこから何とも妙な人間関係が育ってゆく。

ミハルは、すくすく成長し、浄鑑と千賀子に可愛がられ平穏で明るい寺での日常を送るのだが、可愛がっていた猫のクマの死をキッカケに、何やら常軌を離れ闇のようなものに覆われてしまうようだった。
寺の中だけに留まらず、周辺の集落全体がその何か得体の知れない力によって、凶事が続く。
その様子は、なんだかわけがわからないけど、怖かった。
背筋のあたりが寒くなるような・・・・。
なんとな~く嫌なかんじが、暫く続き、この話の結末はどうなるんだろ?なんて思いながら読みました。

ミハルは、何者なのか?
この不思議ないや~な感じを引き出すのは、どんな力?
どんな意味があるのか?

ミハル自身は可愛く屈託がないだけに、逆にその辺も不気味でした。

で、結局・・・・・・。

正直、本当のところはよくわからなかった。(わたしだけ?^^;)

でも、わたしは、最後、なんとなく、これはハッピ-エンドって事だろうな・・・と解釈しました。

同じ本を読んだ人の感想を聞きたい!

なので、取りあえず、主人にも読んで貰って、その辺を確認してみようと思ってます。

でも、文章は引き込まれる物があり、夢中になりました。

★★★★
f0885778.jpg発行年月:2009年4月


現実と幻想のアヤフヤな存在で未熟者だから念力は3分間しか続かないけど、困った人を助ける為に旅をしているのだという足みじかおじさんのお話

副題どおりの おとなのメルヘン



35編の短いお話。
足ながおじさんは有名だけど、目立つのはイヤだという足みじかおじさん。

困っている人の側にいつの間にか現れ、どうして困っているのか?話を聞いてあげる。
そして、助けてあげる。
助けたあとで、自分は困った状況に陥ることもあるのに、助かった人の事を喜んであげる。

人間以外の者(動物だったり妖精だったり・・・)にも手助けしているのも面白い。

以前は人気者だったTVの人気キャラクタ-・おたすけキットがもう一度、人気者になりたいとおじさんにお願いする話は愉快であり、それに応えるおじさんの言葉はなかなか奥が深い。

自分も同じような立場だけど「助ける人は目立たない方がいい・・・・」と。

おじさんは、アドバイスした後、一人になって「あれで良かったのかな?」と度々するのですが、ここでは「そういう方法があれば、自分も一度くらい人気者になりたかった」と洩らすのが、面白くもあり切なくもあり・・・。


最後のあとがきで、やなせさん90歳になられたんですね?
ビックリ!

★★★★
0781fe82.jpg発行年月:2009年4月


クイズ「さがし物チャンピオン」に出場しませんか?

最新ゲ-ムの画面から飛びだした奇妙な招待状。
とまどうパトリックを待っていたのは・・・・・?


           
(本の表紙裏の解説文より)


児童文学の世界では有名な作家さんですね。
過去作品もいくつか読んでいます。
次女も夢中になった「デルトラ・クエスト」の著者でもあります。

不思議な世界の話を書くことが多いですが、これもまた不思議な世界に入ってしまう男の子の話。
コンピュ-タ-ゲ-ムをお店のパソコンでする事を、日課のようにしている男の子が突然、謎のクイズの招待状を受けて・・・新しいパソコンのゲ-ムのスタ-トかな?と思っていると・・・
「土曜日8チャンネルで会いましょう」と。
8チャンネル?そんなチャンネルで番組は放送されていないし???と不思議に思いつつ、約束通り、指定された時間にテレビの前に向かうと・・・・・

こちらの世界とテレビを通じた別の世界を行き来してのお話。
テレビのクイズ番組に参加することになり、三人の探し物をこちらの世界に戻って探しながら進む物語。

ワクワクしたり、ちょっとホロリとしたり。

訳者のあとがきにもありましたが、わたしも時々、「あれ?ここに置いたはずなのに?」と見つからない物ってあるのですが、ひょっとして、物語の中のような事、本当にあるのかも!?
なんて考えたらちょっと楽しいな~なんて思いました。


ササッと読めて、とても楽しかった!

大好きな作家さんです!

「ふしぎな国のレイチェル」と同様、エミリ-・ロッダさんの本に絵を描かれている杉田比呂子さん。
この方の絵も大好き!

★★★★

f270c3b0.jpg発行年月:2008年10月


パリに暮らす一人のおばあさん。
ユダヤ人のおばあさんが、過ぎ去った昔を思い出しながら現在の日常を静かに語る。

フランスで20年以上読み継がれている絵本を、長くパリで暮らしている女優の岸恵子さんが初めて翻訳。
大人のための上品な絵本。

 

表紙の絵は、少し暗い色調ですが、中の絵は可愛らしいです。
ユダヤ人の歴史をあまり知らないので、この主人公のおばあさんが若い頃、どれだけの苦労をしたのか想像するのは、難しいのですが、大変な想いをきっと沢山したことでしょう。

しかし、その悲惨だった頃に対して、誰かを恨むとか全くなく、老いて若い頃のようにいかない事も多いけど、それについても一切の愚痴を言わない。

すごく我慢しているのが見えたら、可哀相と思ってしまうのだけど、このおばあさんは、笑顔がとても素敵で幸せそうに見える。
老いるって、今の自分には、ちょっと怖いなという部分もあったけど、これを読んでいたら、なんだか、少し年を取っても別に幸せでなくなるわけではないのだし、明るく日々を過ごせたら、それで十分なんだなぁ~なんて感じました。

本の形もちょっと縦長で面白いです。

柔らかいタッチのイラストがまた本を一層、素敵にしてくれていて、でも、やはり岸さんの訳が素晴らしいからこそ、この本の良さが伝わってくるんでしょう。

最後の岸さんの あとがき の文も素晴らしい!!

女優さんとしてだけでなく、こんな素晴らしい才能もあったのですね。
今まで知らずにいました。

翻訳は過去にもお話があったそうですが、全て断っていたとか。
ただ、この絵本の訳は是非、やりたくて、OKしたのだそう。

岸さんは、他にもエッセイなど書かれているようなので、是非、岸さんの書かれた文章をもっと読んでみたい!と思いました。

この絵本はお薦めです!!


 

★★★★★
 

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