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読んだ本の感想あれこれ。
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61Y3J8YE8NL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2003年4月


なぜ、ルチアさんは光っているの?
ふたりの少女の家にやってきた、
あたらしいお手伝いさんのルチアさん。
ふたりの目にだけ、その姿がぼうっと
光りかがやいてうつるそのわけは・・・


                                 (本の帯文より)


久しぶりに、高楼さんの本が読みたくなり、児童書コ-ナ-で手に取った本2冊。
そのうちの1冊がこちら。
ルチアさんという表題の響きにもなんだか惹かれたし、この表紙の絵も素敵!

ルチアさんは、近所の人たちから「たそがれ屋敷」と呼ばれるお屋敷に
新しいお手伝いさん。
体は丸っこくて、可愛らしいかんじ。
そのお屋敷に住む幼い姉妹のスゥとルゥルゥには、ルチアさんが初めてお屋敷に向かって歩いて来た様子を見て水色に光るたまが近づいてくるように見えました。

ほかの人には、そんな風に見えないのだけど・・・・
そして、その理由を知りたいと、密かにルチアさんの後に付いて行き、家でルチアさんの娘さんの
ボビ-とも知り合う。

ルチアさんの謎めいたかんじは、その後もはっきりとした正体を明かすことなくなぜ、水色に光るのかは想像止まり。
そういうわけだったのかぁ~!とはっきり判らない程度に明かされる不思議なことはあるのだけど。。。。

幼い姉妹はやがて成長し、いきなり後半では、かなりの年月が経った話になっている。

あれだけ同じような感性を持っていた姉妹だったのに、
姉のルゥはお屋敷のあとに出来た学校で教師になり現実的な生活を送り、妹のルゥルゥは非日常に憧れを抱いたまま世界に飛び出して行ったきりという。

ふたりはバラバラになっていることもなんだか切ない。

そんな姉のルゥの元に、ある日、ボビ-が訪ねてくる。
ひさしぶりの再会で、昔話をするうちに姉のスゥにも忘れていた、かつては妹と憧れのような気持ちを抱いた水色に光るたまのことを思い出す。

そして、どこにいるのかわからないルゥルゥのことを思う。

ふたりが再び会えるといいのになぁ~。
なんだかスゥの気持ちが痛いように伝わってきて、凄く切ない気持ちになりました(/_;)


う~ん、この感動のような不思議なかんじは、大人じゃないとわからないかも。
児童書コ-ナ-にあったけど、子どもが読んだあとは、きっとその親が読んで
感動する書だと思う。

高楼さんの物語は、やはりいいなぁ~。

さて、もう1冊の方も続きを読んでしまおう!


 

★★★★★
PR
d905c141.jpg   発行年月:2011年4月


   亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。
   それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。
   創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。
   そして書いたのは誰なのか。
   謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。

   圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!

                                           (双葉社HPより)


最初から最後まで、この先どうなる?と逸る気持ちで読み続けたかんじ!
これは凄いミステリ-だ!


主人公の亮介はドッグランのある喫茶店を経営していて、恋人の千絵の失踪という事件を機に、父親が末期癌だと診断され入院し、その後、母親が交通事故で亡くなるという事態。

そして父親が一人暮らしていた家のなかに入り、見つけたものは、誰が記しかのかわからない連続殺人を告白するものだった!
その殺しの方法が・・・・なんとも残酷。殺人を犯す本人は、淡々とそれを行い、背筋が凍る。


その謎の手記のようなノ-トに書かれた内容を追う場面とそれを読む亮介の日常が交互に語られ、その二つに接点が段々と出てくる。


そして驚きの真実!

最後まで読むと、家族愛のようなものを感じる内容で、読み始めたときに感じた不気味なイヤなかんじが、温かいものも感じられるようになって、よく出来た話だった!

途中、亮介の言葉
年をとるというのは、たぶん混乱を混乱のまま抱きかかえて生きられるようになることではないだろうか。

が印象的だった。
なるほど・・・そういうものかもしれない。

★★★★
 
6d2dd246.jpg   発行年月:2010年4月


   苦しい、切ない、逃れられない     
   泣きたくなるような悪夢     
    
           
   ホラーサスペンス大賞受賞作家が描く、
   壊れていく男と女の9つの絶望     

汚れた身体を救い出してくれた悪魔に囚われていく私。         
怒りと赦しを背負いながら生きていく使用人の哀しみ。         
            姿の見えない彼の妻に翻弄される不倫女の叫び。            

--暗い水底に引きずり込まれていくような9つの哀しみと絶望-- 
一度読んだら捉えて離さない、沼田まほかるの痺れる世界

                                            (光文社HPより)


<林檎曼荼羅>
亡き姑の思い出をあれこれ思ううち林檎にまつわる思い出話を思い出す。
過去に戻ったり現在に戻ったり、主人公自身があやふやな意識のなかで体験するちょっと不思議な話。

<レイピスト>
恋人の子どもを二回中絶している女性。
あるとき後ろから聞こえる足音に恐怖を覚えつつ帰る途中、その後ろから来た男にレイプされる。
その後、何事もなかったように過ごしたある日、駅のホ-ムから下に転落。
それを救ってくれた男は・・・。

<ヤモリ>
古い山荘に一人暮らす女性の元に暫く居候することになる若い男性。
帰したくないと思う女性。

<沼毛虫>
痴呆でホ-ムに入所中の曾祖母の昔話

<テンガロンハット>
通りがかりの男に、ちょっと困った状況を助けられた女性。
植木屋だというその男に庭の手入れを頼んだら・・・毎日家の修繕にやってくる。
段々疎ましく感じる。

<TAKO>
少女の頃、知らないおじさんからもらった不思議な絵。
その絵に知らない間に影響を与えられていたと気づく女性。

<普通じゃない>
ゴミハウスを当番でもないのに、掃除している男を殺したいと思う女性。
不自然でない状況で男を殺す方法を考え計画通り実行しようとする。

<クモキリソウ>
ナメクジ

<エトワ-ル>
不倫している女性。
男が妻と別れると言うが、その妻の存在は女の妄想によって生まれたもの


読むとどの話も妙な話です。
怖いけど、どこか滑稽なかんじで・・・不思議なお話でした。

好きな話じゃないけど、ちょっと、たまには読んでみたいかも?
変な魅力のある短編集です。

この表紙の絵の雰囲気もタイトルも、本の内容にピッタリ!!

★★★
 
f34dfa8f.jpg発行年月:2010年9月


 
美しい挿画でも好評の『ひぐれのお客』につづく、安房直子短篇集の最終巻。とうふ屋さんが死者である子どもたちと出会う表題作ほか、日常のちょっとした裂け目に、異世界へのとびらが「くらん」とひらく全七篇


                        (福音館書店HPより)

図書館へ行くと、新刊の児童書コ-ナ-はいつもチェックします。
そこにあった本です。

安房さん、名前は知っていましたが、過去に読んだ記憶がなく、これは表紙絵にも惹かれました。
この表紙の絵、よくみると刺繍みたい。
画家紹介が本の後ろにありますが、MICAOさんの経歴は、外資系メ-カ-にてファイナンシャルアナリストとして勤務の後、独学で染色、縫製などを学んだと書かれています。

実際、表紙の絵以外にも挿絵が幾つかありますが、布地に描かれたようなかんじになっていて、ちょっと変わってる。
このかんじいいなぁ~。

そして、お話も素敵です。
8つのお話がありますが、そのなかに連作で「とうふ屋さんの話」よりとして

3つのお話が含まれています。

人間が主役だったり、動物が主役だったり。

8つのお話に共通するのは、ちょっと不思議で空想の世界のような現実とはまた別の世界にような話。
読んだ言葉から、頭のなかにそにの情景がすぐ浮かんでくるような文章でした。

どれも良かったけど、好きだったのは「春の窓」かな?
売れない絵描きが、ある1匹の魔法を使える猫と出会って、ちょっと不思議な体験をする話。
最後はハッピ-♪

既刊に「ひぐれのお客」も出ているとかなので、今度はそちらも読んでみたい!と思ってます。

こういう童話なら大人も楽しめていいなぁ~(^^)


★★★★
 
36dfea62.jpg発行年月:2010年8月


乙一最新作! 子供達に贈る小さな勇気の物語
小心者でひとりぼっちのネズミ、イグナート。
生まれてはじめてできた友達は、亡国の王女ナタリア。
囚われた王女の危機に、いつも涙目の弱虫ネズミが
小さな冒険の旅をはじめる!


                    (集英社HPより)


乙一好きな次女が図書館にリクエストして、入れてもらった本。
絵本なのか?マンガなのか?
かなり絵が多いです。しかもマンガっぽい^^;

物語は、さほど珍しい展開ではなく・・・・
悪い叔父に王位を乗っ取られ囚われの身となっている王女・ナタリアを助けるために小さなネズミのイグナ-トが勇気を振り絞って頑張る物語。

イグナ-トとナタリアの出会い。
二人が友達となるある出来事。
その出来事があったからこそ、イグナ-トは勇気を奮い起して危険がいっぱいのなかナタリアを助けたのですね~。

単純な話で、わかりやすくていいです!
これなら、字がやっと読めるようになった子どもでも楽しめるかも。

親子で楽しんで感想を言い合うのもいいかも(^^)

イグナ-トとナタリアの背景にあるものは、重く哀しいものがあるのだけど・・・言葉での表現が少ないから大人にはやや物足りないかもですが・・・児童書としては充分でしょう♪


★★★
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