忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6
51ahQYFNW-L__SX230_.jpg   発行年月:2012年3月


   図書室の本に挟まれた、
   助けを求めるメッセージ。
   あなたは誰?

    若美谷中学1年5組の塚原マチは、
    自分の意見を主張できない、頼み事を断れない、
    そんな性格を直したいと思っている。

ある日、図書室で本をめくっていると、一枚の紙が滑り落ちた。
そこには、ていねいな文字で「サクラチル」と書かれていた。
貸出票には1年5組と書いて、消された跡がある。

書いたのは、クラスメイト? 

その後も何度か同じようなメッセージを見つけたマチは、
勇気を振り絞って、返事を書いた。

困っているはずの誰かのために--。(「サクラ咲く」他2編収録)


                                     (光文社HPより)



3編の青春小説が収められていて、どの話も良かったぁ~。

最初の「約束の場所、約束の時間」は、SFっぽい話。
100年先の未来から現在の中学2年に転校してきた菊池悠を巡っての話。
自分のことより大事な友達のことを気遣う中学生たちの姿が清清しい。
最後はちょっと切なかったけど、離れていても忘れないでいるっていいな。


表題作は「サクラ咲く」は二番目の話。
こちらも舞台は中学校。
中学生になったばかりの一年生。
自分の考えをはっきり表に出せないことを悩む塚原マチが、少しずつ変わっていく様子がよかった。
周りの同級生もみんな良い子たち。
そして見た目は明るく活発な子も心のなかでは、それぞれの悩みがある。
そんなお互いの悩みも信頼できる仲間がいれば自然と克服できることってある!と思わせてくれる。


最後は高校生の物語「世界で一番美しい宝石」。
映画同好会の2年生男子3人が映画の主役になってくれる人材を探し、3年生の元演劇部・立花亜麻里に声をかける。断られ続けながらもめげない3人。
亜麻里の演劇部をやめた理由がわかってからの展開がおもしろかった。
亜麻里も3人にきっと救われたんだろうなぁ~。


これは対象が中学生以上とあるからそのくらいの年代向けに書かれた作品でしょう。
でも、大人が読んでも十分、楽しめる作品でした!

表紙の絵もかわいい(^^)


★★★★
PR
51v6sRvLMXL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年11月


新鋭作家・辻村深月の興味の赴くままに、人気アニメから伝統芸能まで日本の新(ネオ)カルチャーの現場を歩く初のルポ&エッセイ集。各紙誌へのコラムも満載、ショートショート・短編小説を特別収録。



                    (毎日新聞社HPより)



面白かったなぁ~。
辻村さんの本は何冊か読んでいますが、なるほど、こういうものたちに影響されて来たのですね。

ドラえもん、ルパンとホ-ムズが小さい頃から大好きだとか。
わたしが、全く興味を示さなかったこれらを辻村さんが好きだというのなら、わたしも触れてみようかなぁ?なんて思った。

特にドラえもんに対する愛が凄い!(笑)
これだけ生活のなかにドラえもんが溶け込んでいるのって、面白い!
そして大山のぶ代さんとの対談の様子がカラ-写真入りでありました!!

ドラえもん話に花が咲いているけど、わたしには何ひとつ分からなかったのがちょっと残念(/_;)
・のび太の太陽王伝説
・のび太とブリキの迷宮
・のび太と雲の王国
これらをとりあえず、機会があったら観てみようかな?

本の中ほどにあったショ-ト&ショ-ト 短編小説
「彼女のいた場所」・・・隣に住んでいた女性が事故で亡くなり、その両親が訪ねてきたところに偶然、会った大学生の僕。

「写真選び」・・・祖母の葬式の後、祖父が妹に自分の顔写真を並べ「どの写真がいい?」と聞いていた。

「さくら日和」・・・『ひらかわ』のたいやきは行列が出来るほどに美味しい。ある日、小学生のわたしにたい焼きやのお兄さんがたいやきをくれた。すぐそばの公園でそれをほお張る。
そんなことがたびたび続くけど・・・

「七胴落とし」・・・まだ幼い子どもたちは、猫のミャウダさんからいろいろなことを学ぶ。
子どもにだけ理解出来る猫との会話。


どの話も良かった!!
特に最後の七胴落としが最高♪
SFの要素ありファンタジ-の要素ありで、猫好きにはたまらない(^^)


本の話だけでなく、映画だったり音楽だったり、実にいろいろな身近なもののことを書かれていて、いろいろな物に興味があるっていろいろなことを知ってるということなんだなと思った。

そして、知らなかったけど、結婚していて、出産したばかりだったんですね~。
勝手に独身だと思ってた^^;
またまた、いろいろなことを体験して、今後の作品づくりに活かしてくれそうですね(^^)


                                        
                                       ★★★★★
51pL66YST2L__SX230_.jpg   発行年月:2011年8月


自然を切り崩し、ロックフェスを誘致する以外に取柄もない山村。狭い日常に苛立つ高校生の広海は、村出身の女優・由貴美と出会い、囚われてゆくが、彼女が戻ってきたのは「村への復讐のため」。半信半疑のまま手伝う広海だが、由貴美にはもう1つ真の目的があった。そしてフェスの夜、取り返しのつかない事件が2人を襲い――。今年、吉川英治文学新人賞を受賞するなど注目の著者による傑作長篇



                                          (文藝春秋HPより)

村で開催されるロックフェスで高校生の広海と村の出身だが芸能界に入り村を出て行った由貴美が出会うことから物語が始まる。
広海は由貴美を見た瞬間から惹かれる。
そして、あるとき、偶然に村にあるダム湖で再会。
二人は急速に距離を縮めるが、広海はそのことを周囲には内緒にする。
クラスメイトや村の友達との間にも由貴美が村に戻ってきている噂が広がるが、大人たちは由貴美に対しては良い印象がない様子。


由貴美が村に戻ったのは、ロックフェスが見たかったからでもあるが、それよりも大きな目的が村に復讐をすることだと知る。

どんな恨みがあるのか?

父親が村長の広海には、由貴美の話は意外なことばかり。
村の選挙の不正により多額の金が動いているとか、村全体が隠蔽体質によって成り立つ人間関係だとか。

そして、そんな広海と由貴美に起きる悲劇。

あ~そんなぁ~!!

村の不正を一緒に暴こうと団結した広海と由貴美だったけど、やはり大人のル-ルに潰されたかんじで悔しい。

善人だと思っていた村長であり広海の父親・飛雄も実は怖い人だったんだ~。

なんだか、やるせない哀しい物語だったなぁ~。


ラスト、広海はこの後、どう行動するのか?
少し気になる。
続編はないのかな?


★★★

   
51ILBwnz8ML__SS400_.jpg発行年月:2011年5月


中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。



                         (集英社HPより)



中学生のリアルな日常が描かれている。
主人公の小林アンは、中学二年生。バスケ部に所属。

クラスのなかで親しく付き合う、倖と芹香から最近、無視されている。
そのキッカケは実に些細なこと。
仲良くしていた者と関係が崩れると、途端に教室内での居場所がなくなった気がする。

家に帰れば、専業主婦の母親が、温かく迎えてくれるが、どこか母親との感覚の違いに苛立つ。

そして、クラスメイトの徳川勝利とある日、川原で会う。
徳川は何かを入れた袋を下げていた。
中身はなに?気になり尋ねると・・・・殺したネズミだと。



アンは自分も殺して欲しいと徳川に頼む。
躊躇することなく承諾する徳川。

二人の打ち合わせの日々が始まる。
『悲劇の記憶』と題されたノ-トに、殺人方法、動機など書き込んでゆく。
今までに類のないインパクトがある画像を残そうと、貸しスタジオで、撮影のルハ-サルをしてみたり・・・・。
真剣に殺される側の意見、殺す側の意見をぶつける二人。
ちょっと異様な光景だけど、お互いのことを信頼してる。

ホントにこのまま殺人のオ-ダ-は決行されちゃうのか??

最後の最後まで、本当に決行される勢いで進むが最後は、急展開。
あ~よかった。
このまま殺しの場面になったらいくらなんでも物語として面白くない。


物語はアンがその後、高校に進学し、大学に進学する手前まで。
あんなに悩んだ友達関係も年が経てば、なんでもないことのようになっている。
それは大人になったからわかること。

悩んでいるときには、未来があるなんて想像すら出来ない状況なんだろうけど、死を選んで人生を終わりにしてしまうことは、勿体無い!

連絡を絶っていた徳川がラストに登場。
彼も中学時代とは良いように変わっていたのが嬉しかった!

そして、二人の友情がこれから育つんじゃないかな?と思えるのも良い終わり方だった♪


中高生くらいの子にも読んで欲しいので、娘たちにも薦めてみよう。



 
★★★★
1b608a87.jpg   発行年月:2011年2月


   結婚は、人生最大のエンターテインメント!

   企みを胸に秘めた美人双子新婦、
   プランナーを困らせるクレーマー夫妻、
   新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。
   
   人気結婚式場のとある大安の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。


                                            (角川書店HPより)


面白かった!
老舗ホテル・ア-ルマティで、ある大安の日、4組の結婚式が予定されている。
その4組のそれぞれの1日の流れを交互に語る形で物語は進んでいく。

4組の結婚式を担当するプランナ-のうちのひとり、山井多香子が担当するのは、十倉家と大崎家。ワガママなお嬢様・大崎玲奈が新婦。
打ち合わせ時とは違う要求を急にされたり・・・プランナ-さんって大変な仕事だわ。

他には・・・
新婦が双子だという相馬家と加賀山家。
双子の姉妹は一卵性で、見た目はそっくり。
そして、この式で二人は新郎を試すビックリの企みをする。

東家と白須家は、新郎は新婦の7歳年下。
新婦は薬剤師で新郎は同じ薬局のアルバイトとして勤務していて知り合った。

鈴木家と三田家の新郎・陸雄は、実は結婚しているのに新婦に言えないまま、式に臨むことになってしまっていた!


それぞれのちょっと訳アリのカップルの結婚当日の式場でのあれこれが時間を追いながら描かれる。


白須家の親族の真空くんが語る章が面白かった。
お母さんの妹である新婦・りえが大好きで、親族たちが新郎のことをあまりよく思っていない事を知って、本当にこの結婚は祝福できるものなのか?と幼いながら(小学校低学年かな~?)に思いつつ式に出ている。
そして、ある推理をし一人慌てる様子が可愛らしい。
真空くんの推理が外れてよかった♪


それぞれがバラバラの話だけれど、ウエディングプランア-の多香子が時々、担当以外の披露宴会場の進行状況を語ったりするので、4組に接点はなくても同じ場所での物語だと認識できるのも良かった。
こういう話の組み立て方は巧いなぁ~。

そして、共通のある事件が起きて・・・・
でも、それがあって、それぞれの組の抱えていた問題も良い方向へと向かい
結果的には、みながハッピ-になれる物語。


後日談の話も良かった。

今まで読んだ辻村さんの作風とはちょっと違ったけれど・・・
こういう明るいミステリ-もいいなぁ~。

★★★★★
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
7 8 10 12 13
14 19 20
24 26 27
28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]