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読んだ本の感想あれこれ。
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51UOqDEF8XL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年10月
 


ぼくらは家族になるのだろうか――?
モヒカンで、料理上手で、おまけに超能力者。兄妹と母が暮らす家庭に、ヘンな男がやってきた!

ある朝、中学一年生の進也は、妹の亜由美に起こされた。
台所を見に行くと、知らない男の人が体育坐りで眠っている。
夜の仕事をしている母が連れて帰ってきた人らしい。
進也はあまり気にせず、いつものように目玉焼きを作りはじめると……
「あ、そろそろ水を入れた方が、いいんじゃないですか?」
3人家族と謎の男チキさんの、忘れられない物語が始まる。

直木賞作家が描く、とっておきの感動長編。


                                   (講談社HPより)




中学1年生の進也と小学5年生の亜由美は、両親が離婚して母親と3人暮らしだった。
両親の離婚の原因には、亜由美が遊具から落ちて右足が不自由になったことが大きく関係している。
そして、そのとき一緒に居た進也は以来、自責の念を抱いている。

そんなちょっと重苦しいかんじで始まった物語に、突如登場のモヒカン頭のチキさん。
最初は怪しいかんじだったけれど、物腰柔らかで、料理上手。
母親が経営するスナックの客だったらしいけど、成り行きで進也たちと同じ家で暮らし始める。
妹と一緒に居る為、大好きだったバスケ部も中断していた進也だったけど、チキさんがその代わりをしてくれるのでバスケ部にも復帰。
このまま家族になれるといいのになぁ~なんて読みながら思っていました。

が・・・・・ある事件発覚。
チキさんの過去。
アノ教団が絡んで来るし・・・・事態は予想外の展開で、ハッピ-エンドじゃないのぉ~!?
なんて焦る。

話は進也が成人してチキさんのことを思い出しているという設定なので
ラストの今の進也と亜由美がちゃんとそれぞれ成長して、今は幸せそうな様子だったことにはホッとした。

チキさんのその後のことは哀しかったけど・・・・・。

チキさんの作る料理が美味しそう。
作っている進也と亜由美たちの会話も楽しそう。

満月ケチャップライス・・・・なんだか可愛い料理名。

豆腐ステ-キ・オ-ロラソ-スがけが個人的には気になった。
豆腐ステ-キにオ-ロラソ-スは合うのかな??

超能力とか出て来るけれど、いつもの朱川さんの不思議ワ-ルドに比べると
割と普通の物語。
それでも結構、楽しめたけど・・・・・。


                                         ★★★
PR
51-1yypX7dL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年6月


時代も場所もバラバラな世界を「箱庭」に見立てて、
短編の妙手である直木賞作家が紡いだ、笑いあり、
涙ありの少し不思議な連作小説集。



                    (PHP研究所HPより)



短編集のかたちを取っている本書。
出だしからちょっと不思議。
8歳の箱庭療法をしていた少年がいなくなったと母親が慌てている。
買ったばかりの白馬も消えている・・・・最初の話「旅に出ないか」

そして、短編集のようなかたちでいろいろなお話が始まる。
「ミッちゃんなんて、大キライ」は
ホラ-作家志望のシュシュだが、選評は、リアリティがないというお決まりのもので二次審査止まり。
そして、幽霊がいるというアパ-トに引越すけれど、自分の前には出てこない。
幽霊はミッちゃんというらしいが・・・・

シュシュのその後が気になりつつ、次の話を読んで、最後の話に近づいたところでの「七号室の秘密」で再びシュシュが登場。
無事に作家になれたようで、良かった!!
ミッちゃんの秘密もわかりました。

その次の「オツベルと象と宇宙人」は、変な話だったけど、
不思議な魅力のある話で、こういうの結構すき。
SFだけど、宇宙人、気が弱過ぎ。オツベルが怖いものなし過ぎるのか?


幾つかあるお話は、どれもよかったけど
もの悲しいかんじがするのが朱川さんらしくていいかな?
「秋の雨」は特によかった。
亡くなった孫が雨の日だけ祖母の元にやってくる。

「クリスマスの犬」もちょっと変わっていて面白かった。
振込み詐欺を働いて得た50万円をバイクに跳ねられて瀕死の犬の為に使う男の話。


バラバラのような話は、少年が白馬と箱庭のなかを旅しながらの風景で、まだまだ帰らないみたい。
ということは続編みたいに出るのかな?
そしたら、また楽しめそう。


朱川さんのいろいろな雰囲気の話が楽しめました♪


★★★★
 

c199cac6.jpg発行年月:2010年10月

「それは、世界でたった1人の人にしか、聴けないオルゴールなんだ。」
隣にいる、大切な人の心の声が聴こえてくる物語-------

全国各地で大きな反響を得た、直木賞作家渾身の新聞連載、
待望の書籍化!

奇跡の、そして感動のクライマックス!
「実は前から、ハヤ坊に頼みたいことがあってなぁ」東京に住む小学生のハヤトは、トンダじいさんの“一生に一度のお願い”を預かり、旅に出る。福知山線の事故現場、父さんの再婚と新しい生命(いのち)、そして広島の原爆ドーム。見るものすべてに価値観を揺さぶられながら、トンダじいさんの想い出のオルゴールを届けるため、ハヤトは一路、鹿児島を目指す。


                                           (講談社HPより)

 

この前に読んだ朱川さんの「鏡の偽乙女」とは、ガラッと違う物語。
今回のは、現代のお話でリアルな現実に向き合った物語でした。

主人公のハヤトは、もうすぐ小学5年生になる。
両親は離婚して、母親との二人暮らし。
ふざけあうような友達はいるけど、実際に気が合うのは、クラスでは、ちょっと浮いた存在のシンジロウ。
クラスの仲間の手前、シンジロウの存在を少し疎ましく思いながらも、本心はシンジロウと相通じるものを感じている。

ハヤトは優しくて人の気持ちがわかる子なんだろうな~と最初から思いました。

そして、近所の顔見知りのトンダじいさんから頼まれ事を引き受けてしまう。
おじいさんが亡くなり、その約束をいつかは果たさなければならないことに少し重責を感じ始める。

学校は、春休みに入り、その間、大阪の父親の元で過ごそうと決めたハヤト。
おじいさんから托されたオルゴ-ルも持っていく。

大阪の父親には、新しい家族が出来ていて、最初は戸惑うハヤトだが、そこから、いろんな人と接することになり、おじいさんとの約束を果たすため、鹿児島にも出かけることになる。

ハヤトが出会う人たちは、皆、過去に辛い経験がある。
阪神淡路大震災で家族を亡くしたもの、福知山線脱線事故で友人を亡くしたもの、

そして、鹿児島まで一緒に行く事になった、父親の新しい奥さんの友達・サエと一緒に訪ねる
広島、長崎。
それぞれが原爆による被害を受けた地。
原爆ド-ムや平和記念資料館を見てハヤトが感じること。

九州の鹿児島でも、知覧特攻隊のことが出て来て、戦争と平和についても多く考えさせてくれる。


ハヤトの旅を通じて、読み手もいろいろな事を考えさせられる内容でした。

そして、約束を果たす最後の場面も感動しました。

良い物語でした。

児童書として考えてもいいかもしれない内容。
大人も十分楽しめる内容ですが、子どもたちにも読んで欲しい本です!

いや~朱川さん、次々、いろんなジャンルで楽しませてくれますね~(^^)


                                             ★★★★★

 

2560a197.jpg発行年月:2010年8月


画家志望の青年と謎の美青年の大正怪奇探偵譚
大正3年、画家を志して裕福な家を出た功次郎は、穂村江雪華と名乗る青年と出会い、不思議な出来事に遭遇するように。実在の事件を織り込みながら、怪奇で耽美な物語が展開する傑作連作短編集。


                        (集英社HPより)



絵で身を立てたいと、家出して下宿生活を始める主人公の青年・槇島功次郎。
不思議な青年・雪華と名乗ると出会い、彼の暮らす下宿で暮らすことに。
その下宿屋<蟋蟀館>もなんだか怪しい。
功次郎の住む部屋には、幽霊が居るし・・・^^;

怪しいものが出てきたりの奇妙な話が短編連作という形で続く。
お話は第一段「墓場の傘」
第二段「鏡の偽乙女」
第三段「奇談みれいじゃ」・・・ほんとは奇談の「奇」の左に「田」が付く漢字ですがパソコンで出ず^^;
第四段「壷中の稲妻」
題五段「夜の夢こそまこと」

この世では、もう死んでいる者たちが時々、登場。
普通に考えたら怖いんだけど、ユ-モアもあるので、怪奇話というより、大正という時代背景もあったりでどこかロマンチックなかんじもした。


出てくる人物たちが、この世に生ある人間なのか、この世に未練を残し仮の姿で存在する「みれいじゃ」なのか?混乱するけど、皆、魅力的。

話としては、表題作の「鏡の偽乙女」が好きだった。

大正初期の史実も少し登場し、その辺も「あ~歴史的に、そういう時代なんだ」と納得したり
なかなか面白かった。

続きも出るのかな?
あまりはっきり明かされなかった雪華の正体も、ちょっと気になるとことであるし・・・

続きは出たら読みたいけど、この余韻のまま終わるのもまた良いか?


★★★
 



d03ee7d9.jpg   発行年月:2010年2月

   この村の秘密をしゃべってはいけない。

直木賞作家、乱心!?
父親の定年を祝ったハワイ旅行の帰りに飛行機事故に遭った坂木龍馬。
目が覚めると、そこはド田舎の村。
電気・ガス・水道なし! 車すら走っていない。
そこで暮らすのは、金太郎に、桃太郎。おまけに弥勒菩薩像の仮面をかぶった男まで現れる始末。
田おこしや年貢、人身御供に仇討ち? なんて言葉まで聞こえてきて
本当にどうする俺?
そして、主人公を待ち受ける究極の問いとは?


                                         (小学館HPより)
 

167cm124kgの相撲体型の主人公・坂木龍馬が飛行機事故で墜落し、気づけばド田舎の昔話のような世界に迷いこんでしまう。
最初から、面白そう!と思わせてくれました。
そして、実際、おもしろい。
笑える!昭和のことを知ってる大人なら、随所にあるギャグに思わず、にっこりしちゃうでしょう。

朱川さんって、こんな物語も書くんだなぁ~と嬉しい意外性。
今までは、結構、不思議で切なくてちょっと怪しいかんじの物語が多かったから・・・。


今まではオタク生活にどっぷり浸っていたような龍馬が、太陽の村で暮らすなかでは、違ってた。
最初は海坊主に間違えられて、悲惨な目にあったけど、村長さんに温かく迎えられ、やがて村人たちからも認められる人物になっていく過程は楽しかった。

でも終わり付近で、明かされる衝撃の事実!
え?そういう事だったわけ?
結構、びっくり!予想外の展開。

でも、それまでの話がありえないでしょ?と思いながらも笑えて楽しかったので、こういうラストでも違和感はないかも。
著者の日本(環境問題だったり、若者の生き方だったり)に対する考え方かな?という話もあったり、なかなか深い内容なのかも。


兎に角、最後まで楽しく読めました。

わかりやすいから、子どもが読んでも面白いかも。


                                                ★★★

 


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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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